将来の妊娠に備えて行う卵子の凍結保存についてのニュースです。これまでは病気などで卵子が影響を受ける場合に行なわれていましたが、今、静岡県内では健康な女性の間でも「卵子凍結」が注目されています。
<卵子凍結経験者(36)>
「34歳の誕生日を迎えて、高齢出産、このままいくと35歳以降に産むことになるから、若いうちにとっておこうかなと思いました」
こう話すのは2年前に卵子凍結を経験した女性です。
卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて若いうちに卵子を採取し、凍結保存しておくことです。これまでは、がんなどの病気や治療で卵子に影響がある場合に行なわれてきましたが、今、健康な女性の間でも卵子凍結の動きが広がっています。
<卵子凍結経験者(36)>
「今が一番若い、卵子は個人差はあるが加齢で質が落ちて、妊娠率が下がる。未来への投資、必ず子どもがほしい方は勇気を出して決断してみてはどうかと思う」
<俵IVFクリニック 俵史子院長>
「卵子は凍結保存することで、理論上は半永久的に加齢を止めることができる」
8月26日、静岡市の不妊治療専門のクリニックで開かれた卵子凍結についてのセミナー。参加したのは30代の女性たちです。今、女性たちが卵子凍結に関心を寄せる背景とは…。
<卵子凍結保管を行なうグレイスグループCMO 上野千紘さん>
「女性が社会に出て働いていくとか自分の人生の選択肢が増えていく中で、妊娠する力や妊娠する年齢は変えられない。自分のライフプランとキャリアプランと照らし合わせた時に、卵子凍結という選択肢があるというのを知っていただく方が増えた」
<俵IVFクリニック 俵史子院長>
「こちらが採卵を行なうIVFルームです」静岡市の不妊治療専門の俵IVFクリニックでは、2007年の開業時から病気などが理由の卵子凍結を行っていましたが、2022年から健康な女性も対象に卵子凍結を始めました。
<俵IVFクリニック 俵史子院長>
「超音波で卵巣の状態をモニタリングしながら1つずつ卵を抜き取ってくる、吸引してくる処理」
取り出した卵子は培養士が機器の中で培養します。
<俵IVFクリニック 俵史子院長>
「卵子は細胞の膜も不安定で弱い、普段以上に非常に気を使いながら、将来使う卵子を扱っている」
その後、卵子を凍結させマイナス196℃の液体窒素の中で保管します。卵子凍結の費用は全体で50万円ほどです。
卵子を凍結することで必ず妊娠に至るわけではありませんが、年齢が影響している不妊が多いのも現状だといいます。<俵IVFクリニック 俵史子院長>
「若いうちの卵子をとっておくことが、将来の不妊(原因)を1つ回避することに繋がるのであれば、この治療は非常に意味がある」
<滝澤悠希キャスター>
静岡県内では、病気や治療による卵子凍結には補助が出ます。現段階で、健康な人の卵子凍結には補助はありません。東京都や企業が支援に動き出す中、県内でもそうした選択肢を広げるための支援が求められるのではないでしょうか。
詳細は NEWS DIG でも!↓
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/sbs/686464