ハワイの山火事はこれまでに55人の死亡が確認されました。バイデン大統領は大規模災害宣言を発表し、連邦政府による支援を指示しました。
■「火の雨降った」 ハワイ死者55人に
ハワイの観光客が撮影した炎から決死の脱出を試みている映像。「火の雨が降った」。当時の恐怖をそう語った撮影者。火の粉が吹き荒れ、建物に次々に飛び火し、燃え広がったのです。
米ハワイ州 ジョシュ・グリーン知事:「ハワイの歴史上、最大の自然災害になった可能性が高い」
発生から2日が過ぎたマウイ島。死者は55人にも上り、過去100年アメリカで起きた山火事で2番目に多い犠牲者を出す大惨事となったのです。
これまでも何度か山火事が起きたマウイ島。では、なぜ今回、これほどまで被害が拡大したのでしょうか。
■“フラッシュ干ばつ” 山火事に影響か
バージニア大学 ベンカット・ラクシミ氏:「8月1日から8月8日に異常な乾燥状態が急速に拡大した。フラッシュ干ばつが発生したようだ」
「フラッシュ干ばつ」。それは短期間で急速に土壌の水分が失われる現象を指します。
アメリカの気象機関では、8月に入り干ばつが襲い、ハワイの80%が乾燥状態にあったといいます。
■観光地が火の海 1000人以上“所在不明”
島の西部、最大の観光地であるラハイナ。その付近で山火事の一つが発生。山から吹き降りる強風で瞬く間に燃え広がる炎。
避難した観光客:「バスに乗って町が焼けているのを見るまで、何が起きているか知らなかった」
電線も焼け落ち、携帯電話も使えず、情報は寸断。火が迫ってくるまで山火事に気付かなかった人も…。
慌てて逃げる観光客たち。しかし、メインストリートは両側とも火の海。煙の中を突き抜けながら脱出します。さらに、炎は港にまで達し、逃げ場を失います。港も含め、沿岸の建物はほとんど焼けてしまっています。逃げ遅れて海に飛び込んだ観光客も。
海に逃げた観光客:「海も炎が上がっていたから、金属の板で覆ったんだ」
しかし、その海も安全ではなく、ボートにも燃え移り、炎上する様子が映っています。
「ラハイナ浄土院」 原源照住職(87):「海の方から燃えてきて、すぐに退避しないと」
日系人のみならず、コミュニティーの中心だったお寺もほとんど焼失し、コンクリートの土台が残るのみ。
現地メディアによると、およそ1000人の観光客や住民の所在が分からないといいます。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
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