一生忘れない「グッとくるお葬式」 お通夜に家族で美酒鍋囲み 故人が自分でプロデュース 広島 (2023/08/08 18:54)

一生忘れない「グッとくるお葬式」 お通夜に家族で美酒鍋囲み 故人が自分でプロデュース 広島 (2023/08/08 18:54)

マネー研究所。お金をキッカケに広島の暮らしやビジネスに関わるニュースを徹底取材でお伝えしていきます。今回の取材は木村仁美アナウンサーです。

【木村アナ】
まもなく、お盆を迎えますが、きょうはテーマは「グッとくるお葬式」。
「グッとくる」の意味は取材の最後に分かります。
一体、どんな「お葬式」なのか徹底取材しました。

《VTR》
【木村アナ&さいき葬祭・柚木力社長】
「新しい葬儀を教えてもらえると聞いてきたんですがどんなものなのですか?」
「3Dプロジェクションマッピングを使って演出した“グッとくるお葬式”です」

今回のキーワードは「グッとくる」です。
それではグッとくるお葬式をご覧いただきましょう。

【柚木社長】
「普通の葬式に参列すると、その人を想う間もなく葬式が始まって1時間たって、結局どんな方の葬式だったのか分からない時間があるといことが心に引っかかっていて、なので葬式が始まる前にその人がどういう人だったのかが分かったり、家族の方がもう1度思い出してその葬式に気持ちを集中して葬式に入ってもらう。この映像は葬儀の開式前に流すものなのです」

こちらの斎場は、新たな葬儀を実現するために先月末にリニューアルされました。

【柚木社長】
「グッとくる葬式をどうしても作りたいので、今まで通りの当たり前がそこにあるといったら感動もなければグッとくることもない。だからグッとくるということで変えようと」

社長のこだわる「グッとくるお葬式」。
実は、同じ時期に全く同じことを考えていた人がいたんです。

【広島マツダ・松田哲也会長兼CEO】
「故人の遺志や遺族の想いとか来てくれた方の生前の想いの共有みたいなものがどうしても感じられない部分を変えたかったというのはあります」

自動車を販売する広島マツダでは映像を活かした新しい葬儀の形としてビジネスをスタートしましたが…

【松田会長】
「みなさん話だけは「いいね」と「これからの時代だね」と言ってくれるのですが、やっぱり伝統と歴史を覆すことがなかなか既成概念を破ることが出来なくて、受け入れてもらえる企業がなかった。今回柚木社長と話をしてその思いを伝えた時に「いいね。いいね」と言ってくれるんですが、まさか本当に共鳴してくれるとは思わなかった」

2人の気持ちが1つになって、ついに先月、「広島マツダ」の優れた技術力を活用して、「さいき葬祭」が新たな葬儀を創造する協定を締結するに至ったのです。
こうして「新たな葬儀のカタチプロジェクト」が誕生しました。

【柚木社長】
「1つ目は故人を追悼する。次は感謝する。3つ目に元気を与える」

【松田会長】
「真心をもっと追求したような葬儀の仕方なので受け入れられるのではないかと思う」

しかし、この「グッとくるお葬式」には大きな問題がありました。

【柚木社長・木村アナ】
「今までの葬式の主体はなんだかんだといっても子供さんだったり送り手側だった。今回は主体がご本人」
「本人に営業をかけるということは「あなたもうすぐですよね」ってことになりますよね。難しいですよね?」
「営業の方法は終活セミナーをします。終活セミナーを実際にしてそこで訴えていく」

すでに、終活セミナーを独自に開催していて、企業経営者を対象にしたセミナーには20数社が参加しています。
企業を経営する人たちには最後のシーンでメッセージを残すことは大切な仕事の1つです。

【柚木社長】
「事前に会員になってもらうとここで流す映像を撮影することは無料でさせてもらう。撮っておくのが動画になる。保存しておいて編集も出来るようにしておいて」

さらに、社長には、以前から、気になっていたことがありました。

【木村アナ・柚木社長】
「豪華ですよ。葬儀場のご飯とは思えない」
「これが美酒鍋です」

今回のリニューアルに合わせて斎場の2階にお通夜に特化したレストランを作りました。

【柚木社長】
「お通夜の晩というのはすごく大事な「グッとくるポイント」だと思っていて。お通夜の時間はとても大事じゃないですか。家族みんなで最後にお父さんとお母さんとご飯を食べているというところを提供したくて。まるで家のように仕立てて食べてもらう」

社長の思いを詰め込んだ「グッとくるお葬式」。
そこには、葬儀のプロが考え抜いた将来の葬儀の在り方への深い思いがありました。

【柚木社長】
「今から残っていく葬式は結婚式などと一緒で、いかに感動したかが必要だと思います。ただ人が亡くなられたことで感動することは不謹慎じゃないですか。でもやっぱりグッとくる。そして一生記憶の中に残るので一生亡くなった方は(記憶から)なくならない。そういう葬儀をやりたい」

《スタジオ》
「従来の葬儀を否定するわけではないけど、新しい選択があってもいいのではないか?」という考え方。
取材を通じて、葬儀って、何だろうと改めて考えさせられました。
匹田先生、いかがですか?

【TSSコメンテーター:広島大学大学院・匹田篤准教授】
「非常に興味深い。お葬式は故人を偲ぶもの。故人がプロデュースしたものは一段とグッとくる。たしか坂本龍一さんが自分のお葬式で流す曲を自分で選んでいる。そういうことは徐々に広まっていくと思う」

葬儀のあり方はこれから変わっていきそうですね。
以上、マネー研究所でした。

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