情報のひもづけ誤りなどトラブルが相次いだマイナンバーカード。来年の秋に今の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一本化させる政府の方針は維持される見通しです。実際にマイナンバーカードの情報の点検作業を行っている自治体や、カードの活用を進めている病院を取材しました。
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3日午後、岸田首相が群馬県前橋市を訪れました。マイナンバーカードを使うことでタクシー料金の割り引きを受けられる取り組みなどを視察し、利便性をアピールしました。ただ、マイナンバーをめぐっては、公金口座や健康保険証のひもづけ誤りなど、トラブルが相次いでいて、岸田首相を今、悩ませているのです。
今年6月、政府は「マイナンバー情報総点検本部」を設置。全ての情報の確認や今後の対策などに関する“総点検”を、今年秋に向けて進めています。
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しかし、実際の点検作業を行っている自治体の現場を訪ねてみると、国からチェックリストが送られていました。
多摩市の担当者
「今回のマイナンバーの確認項目、例えば氏名・生年月日・性別・住所を確認しているかどうかという項目があります」
総点検では、情報のひもづけや交付が適切に行われているかなど複数の項目を確認し、回答するよう求めています。
これまで「ミスはない」という多摩市。市長は総点検について“自治体任せではなく、国が精査するべき”と注文をつけました。
多摩市 阿部市長
「私たちとしては全ての質問項目に対して現状(適切に)対応していますという答えしかないですね。そもそもどうしてこういう問題が起きたのかっていうことを、国自身がきちんと精査していただかないと」
マイナンバーカードに関する相談も受け付けるセンターには、カードを返却しに来る人もいるといいます。
マイナンバーカードセンター 担当者
「(返却は)7月に10数件ございました。カードを利用しなくなったですとか、政府の制度に少し心配があるというようなご意見も頂いております」
一方で、カードを受け取りに来た女性もいました。
カードを受け取りに来た人
「(マイナンバーカードは)今後の動きとしては必要なことかなと思う。リスクを承知で受け取りにきました」
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こうした中、マイナンバーカードの活用は少しずつ進んでいます。
記者
「こちらの病院では、保険証としてだけではなく診察券としてもマイナンバーカードが利用できるということです」
愛知県の小牧市民病院では、マイナンバーカードと診察券を一体化させた“マイナ診察券”を独自に取り入れているほか、“マイナ保険証”も利用することができます。
その理由について聞いてみると…
小牧市民病院 担当者
「(紙の保険証は)保険情報、それまで手で入力していたものから、(マイナ保険証では)自動的な取り込みが可能に。入力の間違いが格段に減ると思っております」
ひもづけ誤りなどのミスがなくなれば、マイナ保険証やデジタル化のメリットは大きいと語りました。
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3日の視察を終えた、岸田首相は次のようにコメントしました。
岸田首相
「デジタル化に向けた決意と、その前提となるマイナンバーカードに対する国民の信頼回復のための対策について、明日(4日)の夕刻会見を開き、私から説明をしたいと考えております」
4日に関係閣僚から報告を受けた上で、マイナンバーの信頼回復に向け、自ら会見で説明することにしています。
(2023年8月3日放送「news every.」より)
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