上野の国立科学博物館では貴重な資料、2万数千点が展示されていますが、収蔵品全体の数は展示品の数百倍、およそ500万点にもおよび、その多くはつくば市の収蔵庫に保管されています。ところが。
国立科学博物館 篠田謙一館長:「なかなか収蔵しきれないものが、ああいうふうに出ていたりとか、収蔵がいっぱいになってしまっていて」「(Q.あの箱は棚に入っていなければいけない?)そうなんです。実際は棚に入れなければいけない」
収蔵庫内はすでにいっぱい。さらに、入りきらない資料や標本などが廊下に剥き出しの状態で置かれていました。収蔵品は毎年およそ8万点ずつ増加しています。例えば、中央大学の西田治文教授は恐竜時代の絶滅した植物の化石などの寄贈を検討しています。
中央大学・西田治文教授:「新しいものが見つかれば名前を付けるわけだが、科学の世界では『タイプ標本』といって永久に保存しないといけない」
国立科学博物館は27億円かけて新たな収蔵庫を建設中です。しかし、その費用が不足する事態に。
国立科学博物館 篠田謙一館長:「ただでさえ、ギリギリの運営体質だったところに、コロナ禍によって入館料収入が大きく落ち込んだ。さらに近年、光熱費や物資の高騰が状況に追い打ちをかけている」
不足を補うため、7日に国立科学博物館が発表したのが1億円を目標としたクラウドファンディングです。
クラウドファンディングといえば、返礼品ですが、今回はマニアックな返礼品が。5000円の寄付で研究者のスケッチをあしらったオリジナルトートバッグが。また、5万円の寄付では収蔵庫をじっくり2時間かけて見学できるコースなど40の返礼品が選べます。
資金不足を改善するためのクラウドファンディングですが、7日午後、目標金額である1億円を突破したということです。一時サイトのサーバーにアクセスができなくなるほど申し込みが殺到していたということですが、開始からわずか8時間余りで1億円を超える支援金が集まりました。
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