まもなく終戦の日を迎えるにあたり、きょうから、「NO WAR プロジェクト つなぐ、つながる」と題して戦争の記憶を未来につなぐニュースをお伝えしていきます。
ロシアが核兵器による威嚇を続けるなか、ウクライナ避難民の姉妹が広島で夏を過ごしています。複雑な気持ちを抱えながら、ふるさとに帰る日を迎えようとしています。
広島・原爆の日。平和記念式典が終わった原爆慰霊碑に花を手向ける姉妹です。ウクライナ・キーウから避難しているファジリャ・ボロジナさん(20)と妹のマリアさん(19)です。ふるさとで仕事を続けている母親と離れ、去年9月から広島で暮らしています。
マリア・ボロジナさん
「広島に来て最初に来たところがここだった」
2人は、広島に来てから何度も平和公園を訪れました。ただ、原爆資料館には入っていません。けがに苦しむ人々の写真や放射線による被害を直視する心の準備ができていないと話します。
マリア・ボロジナさん
「広島の原爆の歴史を知っているけど、写真や展示資料を見る準備はできていないかな」
ファジリャ・ボロジナさん
「ウクライナは今はまだ、原子力発電所の爆発の恐れがあるから…」
ウクライナの人たちが傷つき、街並みが壊れていく様子に、2人は心を痛め続けてきました。
ことし5月、G7サミットに合わせてゼレンスキー大統領が広島を訪れました。ゼレンスキー大統領に声を届けようと、2人は平和公園の近くまでいきました。
マリア・ボロジナさん
「ロシアとどう対話するか議論して、犠牲者なしに戦争を終わらせてほしい。それがこのG7サミットで一番願うこと」
戦争の終わりは、まだ見えません。
ファジリャ・ボロジナさん
「多くの国が資金面や装備の面で援助をしてくれるようになったけど。世界が変わるには、もう少し時間がかかると思う」
ただ、2人の生活には変化がありました。妹のマリアさんの大学入学を機に、来月、ウクライナに戻ることを決めたのです。
マリア・ボロジナさん
「ようやく帰れそう。なんて言ったらいいかわからないけど、本当に信じられないし、うれしい」
<Q.でも、ウクライナはまだ安全ではない状態です>
ファジリャ・ボロジナさん
「難しい質問です。今後どうなるかはわからないから…でも帰りたい。もちろん、怖さはある。でも友達や家族に会いたい」
大切な家族や友人のそばで暮らしたい。戦争の終わりが見えないまま、ふるさとに帰る日を迎えようとしています。
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