自己負担は「30万円」自民党女性局の“フランス研修”が物議 党内からも苦言「ちょっと浮かれすぎ」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

自己負担は「30万円」自民党女性局の“フランス研修”が物議 党内からも苦言「ちょっと浮かれすぎ」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

自民党議員らによるフランスへの研修が物議を醸していることについて、SNS上では「完全に観光旅行」などと批判の声もあがっています。
今回の“研修”費用、負担はどのようになっているのでしょうか。解説です。

■国会議員は、30万円を自己負担

日比麻音子キャスター:
7月27日、自民党の松川るい議員は、エッフェル塔の前で、エッフェル塔を真似たポーズをした写真などを、SNSに投稿しました。

SNS上には「研修という名のフランス旅行」だとか、「遊び感丸出し!生活苦で苦しんでいる国民が多くいるんだ!」といった声が見られています。

こういった反応を受けて、松川議員は、「真面目な研修に参加された皆様にまで、ご迷惑がかかるとしたら、本意ではありませんので、削除させていただきました」とSNSでコメントをしています。

そもそも、どういった研修なのかというと、国会議員は、松川るい 参院議員、今井絵理子 参院議員、広瀬めぐみ 参院議員、梶原大介 参院議員、そして地方議員、さらには民間の方を含めて、38人が参加。
女性局では、5年に1回程度、海外での研修を行うということで、今回はフランス。7月下旬に、3泊5日の日程です。
目的は、少子化対策、政治における女性の活躍などの、視察・意見交換をすること。
費用に関して、松川議員の説明によりますと、自民党費、そして、参加者の自腹によって賄っているので、公費は使っていない、と強調しているわけです。

研修に参加した今井議員は「海外研修に対して、公金を使って無駄だという指摘もありますが、無駄な外遊ではありません。旅費についても、党の活動ですから、党からの支出と、参加者の相応の自己負担によって賄われています」と、公費は使っていないと話しています。

金額を見ていくと、国会議員が自己負担した額は30万円。ただ、これを上回った場合には、党が負担しているということ。
では、自民党の収入はどうなっているのか。党費としては、個人や団体からの寄付であったり、党員から集めた会費であったりが含まれます。
一方で、政党交付金は、税金が主な原資となっています。国から党に交付されるお金で、これが収入全体の約7割を占めています。

SNS上には、「どんな言い訳をしようが、慰安旅行だよ」とか、「党費なら良いとでも?」とか、「あんな写真をSNSにUPする必要はなかっただろうし、せめて政治家らしい写真を使って」といった声があがりました。

TBSスペシャルコメンテーターの星浩 氏も、「負担したのが、党費からなのか、政党交付金からなのかは不明だが、いずれにしても党からの支出。使い方としては好ましくない。観光旅行と批判されても仕方がないのでは」という指摘です。

ちなみに、JNNの取材に対して、自民党幹部から、今回に関しては「政党交付金は使っていない」という情報があります。

■野党とチームを組んで行けばいい

ホラン千秋キャスター:
日々の生活が苦しくなっている中で、議員の皆さんが、楽しい雰囲気の写真ばかりに終始してしまうと、何のためなんだっていうところに批判の矛先がいってしまうこともあるだろうなという気がする。

若新雄純 慶応大学特任准教授:
褒められた写真だとは思わないんですけど、僕らはちょっと、SNSで切り取られた瞬間に、振り回されすぎな気もするんですよ。ずっと遊んでましたってことなら、自費だったとしても問題だと思うんですけど。よく考えたら、写真というのは、瞬間の切り取りに過ぎないということは、わかっているはずじゃないですか。人間は、SNSで切り取られた一部の瞬間の情報から、前後を予想していく生き物だと思うんですよね。友達のハッピーな瞬間とか、芸能人の楽しそうな瞬間とかだけに、一喜一憂するのではなくて、僕らの人生には、前後があるということをもう少し考えないと。SNSでも、1枚の写真について、みんなが神経質になっている。
政治家も、その切り取りの写真を、取り下げればいいという問題でもない。その瞬間が全部だと認めてしまっている感じがする。

ホランキャスター:
私たちのもとに届くのは、物事のほんの一瞬だということを、私たち自身も覚えておかなきゃいけないなとは思うんですけれども、やっぱり、こういう楽しい雰囲気だけが伝わってきて、結局、何が身になったのかとか、どんな良い点があるのかとかいうところが、実感として伝わってこないので、余計にそのギャップで、ずるいなっていう気持ちになっちゃう。

若新雄純 慶応大学特任准教授:
海外のトレンドを政治家が知ることは大事だと思うのですが、だったら、ふだん敵対してる与野党と一緒にチームを組んでいけばいいと思うんですよ。批判していた共産党の人と一緒に組めば、お互いに批判されるから、真面目にやりましょうってなる。内輪だけで行くから、緊張感が足りなくなる。その辺は工夫してほしいですよね。いい意味で、自分たちに厳しくしてくれる人を身近に置いて活動するということは、いいのかなと思います。

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