①メタ表面の開発
LMUの研究者たちは、光と遷移金属ジカルコゲナイド(TMDCs)との間で強い結合効果を実現するメタ表面を開発しました。この研究は、ナノスケールでの光と物質の相互作用に関するものであり、光共振ナノシステムを使用することで、入射光の波長よりも小さい領域で電磁エネルギーを制御・増強することが可能となります。この研究では、ナノ構造化された二硫化タングステン(WS2)内の光子束縛状態(BICs)に基づく、光とTMDCsの間での強い結合効果を可能にするメタ表面が開発されました。
この研究の重要なブレイクスルーは、材料内の損失に依存せずに結合強度を制御することです。このメタ表面プラットフォームは、他のTMDCsや励起物質を容易に統合できるため、極性子応用のための基礎的な洞察や実用的なデバイスの概念を提供することができます。さらに、新しく開発されたメタ表面の概念は、制御可能な低敷居の半導体レーザーや光触媒増強、量子コンピューティングの応用において基盤となるものとなります。
【メタ表面】メタ表面は、光と物質の相互作用を制御するために設計された表面です。この表面は、微細な構造やメタマテリアルを使用して、光の波長よりも小さい領域で電磁エネルギーを集束・増強することができます。メタ表面は、高効率な太陽光の捕集、高度な光の波長制御、新しい光デバイスの設計など、さまざまな応用に活用されます。また、材料の損失に依存せずに光との結合強度を制御できるため、光と物質の強い結合を実現するための基盤としても重要です。メタ表面の研究は、光学、光子学、ナノテクノロジーなどの分野で進展しています。
【TMDCs】TMDCs(Transition Metal Dichalcogenides)は、遷移金属ジカルコゲナイドと呼ばれる一群の材料です。これらの材料は、遷移金属元素と硫黄やセレンなどのカルコゲン元素とが結合して構成されています。TMDCsは二次元の層状構造を持ち、グラフェンのような特性を示すことで注目されています。光学、電子デバイス、触媒など、さまざまな応用領域での利用が期待されています。特に、TMDCsは光との相互作用が強く、光エネルギーの捕捉や光学デバイスの改善に活用されることがあります。また、TMDCsは量子物質としての特性も持ち、量子コンピューティングなどの分野での研究が進められています。
②ガンマ線の観測
国際ジェミニ天文台の研究者は、古代銀河の中心核に起因するガンマ線バーストの存在を突き止めました。これは、星同士や星の残骸が超大質量ブラックホールの周囲で衝突することで起こるという、これまで見られなかった星の破壊の仕方です。この研究は、星の死についての理解や地球で検出できる重力波の発生源など、さまざまな質問に対する答えを提供する可能性があります。これまでほとんど研究されてこなかった現象であり、星同士の衝突が古代銀河の中心核の混沌とした領域で起こることが示唆されました。さらなる研究と観測によって、星の進化についての理解を深めることが期待されています。
③オランウータンは2つの音を同時に出す
ウォリック大学の研究によると、オランウータンは鳴き声を同時に2つ作ることができるとのことです。これは、鳥のさえずりや人間のビートボクサーと同様の能力であり、人間の言語の進化やビートボックスに関するヒントを提供するとされています。研究者はボルネオとスマトラで2つのオランウータンの集団を観察し、合計3800時間の間に同じ音響現象が見られることを発見しました。この研究は、共通の祖先の音声能力と人間の言語の進化に関する示唆を与えます。