最新の科学ニュース三選!!新しい化学反応観察法の発見、惑星ハラの発見、原子の呼吸の検出【2023年6月期⑥】

最新の科学ニュース三選!!新しい化学反応観察法の発見、惑星ハラの発見、原子の呼吸の検出【2023年6月期⑥】

【①新しい化学反応観察法の発見】
チューリッヒ工科大学とジュネーブ大学の研究者たちは、極めて高い時間解像度で液体中の化学反応を観察する新しい方法を開発しました。つまり、彼らはフェムト秒(1秒の1兆分の1)単位で分子がどのように変化するかを調査することができます。この方法は、チューリッヒ工科大学の物理化学のHans Jakob Wörner教授が主導した研究グループによる以前の研究に基づいています。

液体へのX線分光観測を拡大するため、研究者たちは真空中で直径が1マイクロメートル未満の液体ジェットを生成する装置を設計しなければなりませんでした。これは、ジェットが広すぎると、計測に使用されるX線の一部を吸収してしまうためです。

この新しい方法を使用して、研究者たちは地球上に生命が出現したプロセスについての洞察を得ることができました。多くの科学者は、尿素がここで重要な役割を果たしたと推測しています。尿素は炭素と窒素を含む最も単純な分子の一つで、地球が非常に若い時期にすでに存在していた可能性が高いです。

新しい方法を使用して、研究者たちは、長い化学反応のシリーズの最初のステップを調査し、濃縮尿素溶液が電離放射線にさらされたときにどのように振る舞うかを調査しました。

将来的には、Wörnerと彼の同僚たちはマロン酸の形成につながる次のステップを調査したいと考えています。また、新しい方法は、液体中の化学反応の正確な系列を調査するために一般的に使用することができます。このプロジェクトでは、データ解釈に必要な計算を行ったドイツ電子シンクロトロン(DESY)の同僚たちも協力しました。

【②惑星ハラの発見】
ハワイ大学天文学研究所の天文学者たちは、本来ならばその恒星によって消滅するはずだった惑星が生き残ったことを発見しました。この惑星「ハラ」は赤色巨星「ベクドゥ」を半分の距離で周回しており、通常ならばベクドゥの進化により消滅するはずでしたが、その存続が確認されました。天文学者たちは、ベクドゥが既に一度赤色巨星に巨大化した後で、そのコアでヘリウムを燃焼していることを発見しました。また、「ハラ」の生存は、惑星が恒星に飲み込まれて消滅するという事象に対する新たな理解をもたらし、さらなる研究への道を開いたとされています。

【③原子の呼吸の検出】
ワシントン大学の研究者たちは、レーザーによる刺激で発する光を観察することで、原子層間の振動、つまり”原子の呼吸”を検出できることを発見しました。この”原子の呼吸”の音は、量子情報の符号化と伝送を助ける可能性があります。研究者たちはまた、計算、通信、センサー開発などの分野で未来の多くのアプリケーションが予測されている量子技術の新しいタイプのビルディングブロックとなるデバイスを開発しました。これらの研究結果は、Nature Nanotechnologyの6月1日の号で公開されました。

科学ニュース動画カテゴリの最新記事