海底に沈んだ「タイタニック号」の見学に向かい、消息を絶った潜水艇だが、残された酸素のタイムリミットが迫っている。
捜索が続く中、航空機のソナーが、水中から聞こえる「バンバン」という音を捉えた。
海底およそ3,800メートルに沈む「タイタニック号」の見学ツアーに出た潜水艇が消息を絶って、21日で3日。
残された酸素量のタイムリミットが迫る中、捜索隊が“ある音”をキャッチしていたことがわかった。
潜水艇をのせた船は6月16日、カナダのニューファンドランド州、セントジョンズを出航。
およそ640km離れた場所に到着し、18日の朝、5人を乗せた潜水艇が海底に向かった。
乗っていたのは、イギリスの富豪、ハミッシュ・ハーディングさんや、パキスタンの実業家、シャザダ・ダウッドさんと19歳の息子。
また、「タイタニック号」の専門家でフランスの探検家・ナジョレさんと、運航会社のCEO、ストックトン・ラッシュさんのあわせて5人。
アメリカ沿岸警備隊によると、潜水艇とは、潜水開始からおよそ2時間後に連絡が取れなくなったという。
運航会社のウェブサイトには、ツアーについて、7泊8日で費用は1人あたり25万ドル、日本円でおよそ3,500万円とある。
高額の料金を支払えば一般人でも参加できるこのツアーに対し、現地の潜水艇業界団体は、2018年に「実験的なアプローチは大惨事を招く可能性が高い」と懸念を示していた。
ツアーに参加したことのある男性は、「潜水艇には問題があります。あくまで“実験船”であり、(運航会社も)経験しながら学んでいます。初期の宇宙計画と同じです」と指摘している。
GPSも無線も使えない潜水艇。
その捜索にあたるアメリカ沿岸警備隊が、4時間半ほど前、SNSに新たな情報をアップした。
米沿岸警備隊のツイッターより「カナダの航空機が水中からの音を確認した」
アメリカメディアによると、カナダの航空機のソナーが捉えたのは、水中から聞こえる「バンバン」という物をたたくような音だという。
ただ、音のくわしい発信場所はわかっていない。
4日分の酸素を搭載し、海底4,000メートルまで潜れるという潜水艇。
アメリカ沿岸警備隊は、日本時間21日午前2時に開いた会見で、残る酸素量について「呼吸に必要な空気の残りは、およそ40時間です」と説明した。
この説明から計算すると、潜水艇に残る酸素のタイムリミットは、日本時間の22日午後6時ごろで、残り24時間ほど。
捜索は時間との闘いとなっている。
FNNプライムオンライン
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