18日、北海道八雲町で高速バスとトラックが正面衝突し、5人が死亡した事故で、警察は19日午後7時過ぎ、トラックを所有する養豚会社へ捜索に入りました。
事故があった現場には、19日も多くの捜査員の姿があります。警察官によって交通整理が行われながら、捜査が続いています。
この道を毎日、利用する住民は、こう話します。
住民:「カーブに差し掛かる前、函館側から来たときに一気に狭くなる部分があるから、それは気にしている。(Q.今までに事故はあった)ありましたね、ちょいちょいあります」
警察は、トラックが何らかの原因でセンターラインを越えたとみて、過失運転致死傷の疑いで調べています。
亡くなったのは高速バスとトラックの運転手2人と、バスの乗客3人。バス会社によりますと、乗客の3人は、運転席の後ろに座っていたといいます。
トラックを所有する養豚会社によりますと、運転手の梶谷誠さん(65)は、出発前の健康チェックなどに問題はないとしています。
日本クリーンファーム・吉原洋明代表取締役社長:「(Q.最近の勤務について)直近3カ月の状況を確認したが、長時間労働、過重労働にはなっていない。
日本クリーンファーム・笹谷諭貴規道南事業所長:「事故当日は、2回目の運送だった」
警察は、会社側が問題ないとした勤務体制や、健康状態についても資料などを押収し、調べを進めるとみられます。
事故があった八雲町の国道5号は、急カーブも少ない直線道路ですが、過去に何度も死亡事故が起きています。
2004年、今回の事故現場から西に約1.5キロ離れた場所で、乗用車とダンプカーが正面衝突し、乗用車に乗っていた4人が死亡しました。2016年、交通事故が1件発生し、2人が死亡。2017年にも交通事故が1件発生し、1人が死亡しました。
八雲町役場によりますと、「一直線の道で眠くなってしまう人もいる。冬場だと道が凍っている場合もある。速度違反が圧倒的に多い」として、ホームページでも注意を呼び掛けています。
さらに、国道5号を管理する国土交通省・北海道開発局では、過去に重大事故が起きた場所に、事故防止の対策を行っているそうです。注意喚起の看板設置、中央分離帯の設置。そして、道路の表面に一定間隔で溝を付けて、車線をはみ出たら音と振動でドライバーに知らせるランブルストリップスを整備しています。
今回事故が起きた場所は、過去に重大事故が起きていなかったため、対策がとられていませんでした。
北海道開発局では、今後、警察や自治体と一緒に道路の構造や、安全対策などについて調べるとしています。また、警察は、トラック運転手の勤務先を家宅捜索し、勤務体制や健康状態についても資料などを押収して、調べを進めるとみられます。
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