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誰でもなる可能性がある認知症。その認知症の人と共生する社会を目指す「認知症基本法」が成立しました。重要なのは違和感に気付き、早めに発見すること。早期発見で、認知症の進行や接し方は変わることがあります。私たちに求められる正しい知識を考えます。
■認知症の人が希望を持って暮らすために
有働由美子キャスター
「いつ誰がなってもおかしくないので、自分や家族のこととして考えていただきたいニュースです」
「厚生労働省によると、2年後の2025年には65歳以上の5人に1人がなるという認知症。14日、認知症の人と共生する社会をつくるための『認知症基本法』が可決・成立しました」
「認知症の人が希望を持って暮らせる適切な医療サービスや家族への支援を行うとしていますが、特に大切なこととして、周りの私たちが正しい知識を持つことが求められています。どういったことを知っておくべきなのでしょうか?」
■周りの家族が気付くサインは?
小栗泉・日本テレビ解説委員
「認知症で最も多いのが『アルツハイマー型』で、他にも脳梗塞などが原因のものもあります。また65歳未満で発症する『若年性認知症』もあります。誰でもなる可能性があり、早期発見が重要です」
有働キャスター
「周りが気付けるサインは、どんなものがありますか?」
小栗委員
「ポイントは『いつもと少し違う』という違和感に気付くことです。厚労省によると、例えばお金が数えられなくなった、外出しなくなった、趣味に興味がない、味付けがおかしい、賞味期限を切らす、同じ物を買う、などさまざまなことがあります」
有働キャスター
「『年を取ってしまったからかな…』と見過ごしてしまいそうなものも多いですよね」
小栗委員
「そうですね。専門医であるアルツクリニック東京の新井平伊医師は、その違和感の『頻度』『程度』『範囲』を見極めることが重要だといいます」
■頻度、程度、範囲を見極めるには?
小栗委員
「お金が数えられなくなったケースで見ると、『頻度』はこの症状が週に何回あるのか。『程度』は、この症状によって支払いのケタを間違えてお店の人に渡したなど、他の人にも迷惑をかけるほどなのかどうか」
「『範囲』は、気付いた違和感にさらに『言葉が聞きづらい』『歩きづらい』など他の症状が加わっているかどうか、です」
■進行、接し方…早期発見で変わること
小栗委員
「こうして早期発見につなげることができれば、早めの医療や支援ができ、進行を少しでも遅らせることができます」
「また認知症の方は具体的な出来事の記憶が抜けても、悔しい、怖いなどの感情の記憶は残りやすいと言われています。早期に気付くことができれば、私たちの接し方も変えていくことができます」
有働キャスター
「確かに、認知症の人に『なんでできないの?』とか『なんで忘れるの?』と問い詰めるのが一番ダメだと教わったことがあります」
■「社会全体の問題に」…辻さんに聞く
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「当事者の方の尊厳を守りながらサポートすることも大事ですし、家族や周りの方々のメンタルケアや社会的支援も本当に必要です」
「日本の人口比率的に、若い世代が上の世代を支えていく比重はどんどん増えていくので、もはや家族間だけでなく、社会全体の問題として捉えていかなければと思います」
「いざ自分がケアする立場になった時に困らないように、例えば教育で基礎知識などを教えることも必要な時代になっているのかなと思いますね」
有働キャスター
「65歳以上の5人に1人ですからね。認知症はもう特別な話ではないので、もし認知症ではないかと心配な場合は、お近くの地域包括支援センターなどで、どの病院に行くといいかなど、相談に乗ってくれるということです」
(2023年6月14日放送「news zero」より)
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