15日は年金支給日でした。今回から支給額が増えましたが、物価高に追い付かず、実質、目減りする状況になっています。
■年金支給2％↑ うれしいけど…
15日も一時200円を超える値上がりとなった株価。バブル後の最高値を連日、更新しています。
しかし、30年以上前、当のバブルを経験した人たちは、「景気が良い」という実感は乏しいようです。
80代男性：「（Q.バブル期以来の日経平均株価が最高値？）私たちには実感ありません。昔のバブル景気とは全然違うでしょ。大手の会社がもうかって、大株主がもうかって、そんな時代だと思う、今は」
80代女性：「（Q.景気が良くなってる実感は？）ない。物価高とか、あんまり変わらない」
15日は2カ月に1度の年金支給日です。年金を引き出したという86歳の男性は「前よりはちょっと上がったね」と話します。
物価の上昇などを反映し、3年ぶりに増額された年金。15日の支払い分から年金額は67歳以下は2.2％、68歳以上は1.9％引き上げられました。
例えば67歳以下では、国民年金を受け取る場合、月1434円。厚生年金を受け取る場合は、月4889円プラスになります。
しかし、急激な物価上昇には追い付かず、実質、目減りしています。
■物価上昇で目減り…特売行列
年金支給日2日前の13日。都内にあるスーパーには、開店時間前にもかかわらず、たくさんの客が列を作っていました。
毎週火曜日に行われる特売。この日、バナナやカブ、ナスなどが77円。今や高級品となった卵も、1パック197円とお得です。
スーパーイズミ 五味衛社長：「少しでもお客さんに喜んでもらえることを考えて、次の日につながるようなことを考えてやっている」
年金生活の高齢者にはうれしい安さです。
年金生活者（85）：「これ（カブ）はぬか漬け用、77円。77円で買える所ないです」「（Q.少しでも安く買いたい？）買いたいですよ。もう年金しか入らないからね、大変です」
■ジムで過ごし光熱費かからず
特売日にまとめ買いをしているという原輝久さん（73）。
原さん：「（Q.小ネギ50円？）これ安い、これ安いです。これは買わなくちゃ」
野菜やパンなど1週間分の食材が合わせて1613円に収まりました。
原さん：「昔はこれでも1000円いってなかったこともあるけど、今もう1000円以下ってことはないですね」
73歳の原さんは定年まで33年、デパートに勤務。10年前に離婚し、現在はマンションで一人暮らしをしています。
住宅ローンは払い終えましたが、管理費や日々の生活費など、年金だけでは足りず、貯蓄を取り崩しています。
原さん：「手元に残る（年金）はそんなにない」
迎えた15日の年金支給日。
原さん：「本当だ。上がっていますね」「（Q.どれくらい上がっている？）ずっと20万5000円だったのが21万3000円になっていますね。7000円くらい上がっていますね。うれしいですよね」
1カ月あたり3860円増え、思わず笑みがこぼれます。その足で向かったのは…。
原さん：「ジムに行きます」
会費は月1万円ですが、ジムのお風呂を利用することで光熱費の節約に。昼間はエアコンが効いて快適なジムで過ごすことで、3LDKの自宅の電気代も月5571円に抑えられています。
原さん：「10年くらい自分の家のバスタブにはつかっていない。夏にしても冬にしても家にいれば冷房・暖房代はかかるじゃないですか。それなりの生活をして、なるべくお金を使わずに楽しむ方法もあると思うので。マイライフを楽しみたいなと思っています」
（「グッド！モーニング」2023年6月16日放送分より）
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