他人の情報が紐づけられるなどトラブルが続出している「マイナ保険証」。「命に関わる重大な問題が発生する可能性も」との指摘もあがっています。一体、何が起きているのか?解説します。
■医療機関の6割超が「トラブルあり」と回答
南波雅俊キャスター:
そもそもマイナンバーカードを巡ってトラブルが相次いでいますが、健康保険証と一体化した「マイナ保険証」についても、トラブルが続出しています。
5月31日に公表された医師と歯科医師でつくる団体「全国保険医団体連合会」が、マイナ保険証を取り入れている医療機関の2440件から回答を得た中で、6割を超える1556件から“トラブルあり”と回答があったということです。具体的にどんなトラブルがあったのか。
■“血液型を間違えて輸血する”など、命に関わる重大な問題が発生する可能性も
【トラブル(1)】
他人の情報が紐づけられていたトラブル。23年の4月以降少なくとも49件あったということで、中には複数の他人の情報が紐づけられていたケースもありました。
例えば南波キャスターのマイナ保険証に、井上キャスターやホランキャスターの情報が紐づけられていたパターンがあったということです。
そして、血液型を間違えて輸血するなど、命に関わる重大な問題が発生する可能性もあると指摘しています。
この他にも「全国保険医団体連合会」は、他人がマイナポータルなどのアプリを使って、別の人の薬剤や診療情報を閲覧した可能性も捨てきれない。
非常に大事な個人情報が閲覧されていた可能性もあるのではないかと指摘しています。
■半年以上「資格無効」のケースも
【トラブル(2)】
マイナ保険証は読み取り式です。機械自体は正常ですが、実際に読み取った際に「資格無効」とか「該当無し」と出た例が、トラブルがあった中で最も多い62.2%ということで、中には半年以上「資格無効」だったケースもあったということです。
“無保険者”扱いだと、医療費が10割負担で徴収されます。
その例が393件もあって、全国保険医団体連合会は「経済的な負担により受診困難になる恐れもあるのでは」という指摘があります。
■マイナ保険証のトラブルに医療現場ではどう対応?
医療現場ではこういったトラブルにどうやって対応しているのでしょうか。
【トラブルに対する医療現場での対応】
(1)別人と紐付け
→保険証を持参していれば保険診療可
(2)マイナ保険証のみの持参、無資格は10割負担
→後日、保険証を持っていって7割返金
全国保険医団体連合会は「保険証がなくなった時の医療崩壊が目に見えている。なんとしても保険証を残してほしい」としています。
■「人がやるのは根本的に無理がある」という指摘も
南波キャスター:
トラブルが起きている要因があります。
そもそもマイナンバーと健康保険証の紐付けの作業ですが、健康保険組合など手作業でやっている。だから確認不足や情報更新の遅れなどが生じやすい。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長は「人がやるのは根本的に無理がある。最先端のデジタル技術を使うべきだ」と指摘をしています。
情報がきちんと紐付けられているか確認する方法ですが、マイナポータルのアプリを開いて、ログインをすると画面右下に「最新の保険証情報の確認」という項目があります。
もし誤登録があった場合は、マイナンバー総合フリーダイヤルや、加入している医療保険の保険者に問い合わせをすることが大事になってきます。
機械側のトラブルもあるということで、カードリーダーやパソコンの不具合で読み取りができなかった例も46.2%あって、コールセンターなどに連絡しても、すぐに対応してもらえない患者とのトラブルが続いている。
全国保険医団体連合会は、「医療現場の訴えを無視し、きちんと稼働するか。検証せずに見切り発車した」と話しています。
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