人気歌舞伎俳優・市川猿之助さん(47)の死亡した両親が飲んだとされる薬に関する謎の一つが、自宅から容器のゴミなどが見つかっていないことです。捜査のポイントとなり得るゴミの行方を追跡取材しました。
■元刑事「事件性有無の判断に影響」
猿之助さんが自宅で倒れている状態で発見されてから10日余り。近所の住民は、静かに事の推移を見守っていました。
近所の住民:「(猿之助さんを)よく郵便局で見掛けたことがある。普通の青年、感じのいい方って感じ」
依然として、いくつかの謎が残るなか、警察が大きな関心を寄せているとみられるのが「薬と包装容器はどこへ?」です。
向精神薬中毒の疑いで死亡した猿之助さんの両親。しかし、自宅から薬と包装容器は見つかっていません。
専門家は、薬の種類や服用した量を特定するため、薬と包装容器の行方は重要になると指摘します。
元警視庁刑事 吉川祐二氏:「事件性があるのかないのか。猿之助さんの供述の通り、自殺をしたのか心中をしたのか。ということの判断にも影響が出てくると思う」
■事前にゴミとして捨てた可能性
では、薬と包装容器は、どこに消えたのでしょうか。専門家が可能性の一つとして挙げるのは、猿之助さんと両親、いずれかが事前にゴミとして捨てた可能性です。
吉川氏:「まず1つ考えられるのは、何らかの形でゴミで出した。ゴミ収集などの日に合わせて廃棄したということも考えられます。(捜査で)ゴミ集積所を確認することもあり得ると思う」
近隣住民によりますと、猿之助さん一家がゴミを捨てる場所は、自宅のすぐ近くにある電柱の横だといいます。
近所の住民:「(Q.猿之助さん宅などのゴミ集積所は?)そこ。あそこにいつも」「(Q.ネットかけず、そのまま出しても?)そうそう、4軒分くらいだから」
1年ほど前までは、猿之助さん一家はそこから5メートルほど離れた別のゴミ集積所を利用していて、姿をよく見掛けたといいます。
近所の住民:「何回か見たことある」「(Q.猿之助さんを?)そうそう。ゴミ袋を持って」「(Q.どんな服装だった?)普通の普段着だよ」
近所の住民:「よく奥さん(母親)、朝だしていた。ネット下ろしたり、上げたり。汚かったら掃いたり」
■警察到着の3時間後にゴミ収集
周辺の燃えるゴミの回収日は、月曜日と木曜日の週2回。猿之助さんと両親が倒れているのが発見された、18日もゴミの回収日でした。
仮に警察が、ゴミについて捜査をしているならば、重要となるのは、ゴミが回収された時間です。収集車が来る前に、ゴミを押さえておく必要があるからです。
住民によりますと、普段は午後1時ごろに収集車が回収に来るといいます。29日も午後1時すぎに、猿之助さんの自宅の近くにあるゴミ捨て場に収集車が到着し、作業員がゴミを回収していました。
作業員:「(Q.いつもこの時間に回収?)そうです」
当日の木曜日も午後1時ごろには、ゴミの回収が行われたとみられます。
収集車がその後に向かったのは、清掃工場です。当日も午後1時30分ごろには、工場にゴミが搬入されたとみられます。
通報を受けて警察が、猿之助さんの自宅に駆け付けたのは、午前10時30分のこと。収集車が来るまで3時間ほどしかなかったため、ゴミが回収されないよう押さえるのは、難しかった可能性があります。
■発生当日…清掃事務所に“警察から照会”
区の清掃事務所によりますと、警察からは猿之助さんの件で、発生当日に問い合わせの連絡があったといいますが、何らかの証拠をつかむことはできたのでしょうか。
吉川氏:「すでに見つけて押収していて、まだ発表に至っていないことも十分に考えられます」
一方、見つけられていなかったとすると、今後の捜査に影響する可能性もあるといいます。
吉川氏:「(猿之助さんが)話していることの裏付けは、非常に難航していると思う」
厚生労働省は、先の見えない不安や生きづらさを感じている人は一人で悩みなどを抱えずに“こころの健康相談統一ダイヤル”や“いのちの電話”などの相談窓口を利用するよう、呼び掛けています。
▼「こころの健康相談統一ダイヤル」0570-064-556
▼「#いのちSOS」0120-061-338
▼「よりそいホットライン」0120-279-338
▼「いのちの電話」0570-783-556
(「グッド!モーニング」2023年5月30日放送分より)
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