ウクライナ政府は12日、東部バフムートで約2キロ前進し、領土を奪還していると明らかにした。対するロシア側は、自軍を一つの地域に集結させたのだと説明している。バフムートをめぐる攻防戦はロシアがじわじわと前進しながらも数カ月にわたり膠着(こうちゃく)していただけに、ウクライナ軍の前進は情勢変化のきざしをうかがわせる。
11日にはイギリス政府が、ウクライナに長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」を提供すると発表した。
製造元によると、「ストームシャドウ」の射程は250キロ以上。アメリカがウクライナに供与している高機動ロケット砲システム「ハイマース」の射程は80キロ。「ストームシャドウ」は戦闘機から発射される。射程距離が長い分、ウクライナのパイロットは前線から遠く離れた位置にとどまることができる。
ベン・ウォレス英国防相は英下院で、「ストームシャドウ」の提供を発表。「ストームシャドウ」によって「ウクライナは領土に駐留しているロシア軍を押し返せるようになるだろう」と述べた。
この前日の10日にはウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、西側諸国から供与を約束された武器を受け取る必要があるため、ロシアに対する反攻開始にはまだ時間が必要だと話していた。BBCなど欧州各国の公共放送とのインタビューで述べた。
「すでにあるものでも前進して成功することはできる」と大統領は述べる一方で、「しかしそれでは多くの人命が失われる。それは受け入れられない」として、「待たなくてはならない。まだいくらかの時間が必要だ」と話した。
北大西洋条約機構(NATO)の加盟国による軍事訓練を受けたものを含め、複数の旅団がすでに戦闘開始可能な状態にあるものの、ウクライナ陸軍はまだ「いくつか」必要としているものがあると、ゼレンスキー氏は話した。必要なものには「少しずつまとまって」やってくる装甲車も含まれるという。
キーウで取材するBBCのヒューゴ・バシェーガ記者が報告する。
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