【独自】「違う薬を処方だったかも」当事者の不安と恐怖“マイナ保険証”に他人の情報(2023年5月12日)

【独自】「違う薬を処方だったかも」当事者の不安と恐怖“マイナ保険証”に他人の情報(2023年5月12日)

国が積極的に普及を推進している『マイナンバーカード』。登録すれば、住民票や戸籍謄本の取得、また健康保険証としても使えるなど、利便性の高さがメリットです。

しかし、あり得ない事態が起きました。赤の他人の情報が登録された人がいます。

30代のAさん。先月、病院に行きましたが、保険証を忘れました。
マイナ保険証に他人の情報が登録されたAさん:「(Q.どういったことが起こったのか)保険証を忘れたんです。“マイナンバーカードでできる”と聞いていたので、試してみようと。暗証番号を入れたら通った。そうしたら、表示されたのが違う方の名前だった。下の名前は同じです」

画面に映し出されたのは、他人の名前でした。不審に思い、別の病院でも試したところ、またもや赤の他人、Bさんの名前が出てきました。

マイナ保険証に他人の情報が登録されたAさん:「個人情報の漏洩だと思いましたから、総務省の総合窓口にかけました。かけたところ『こんなことは聞いたことがない』と。『マイナポータルというアプリがあり、必ず保険証がひもづいているので、入って見てください』と言われまして」

出てきたのは、Bさんの個人情報でした。今度は、Bさんの組合に問い合わせたところ、こう説明されました。
Bさんの健康保険組合担当者:「当時、あなたと同じ姓で、生年月日と性別等々が合致したということで、誤ってつながってしまったということのようなんですね」

マイナンバーカードを、健康保険証として使うには、本人の番号、氏名、生年月日などの情報と、本人が加入している健康保険組合の情報が一致していることが前提となります。通院歴や処方箋などの情報も一元管理されます。

それがAさんの場合、別の健康保険組合に入っているBさんの個人情報とひもづけられてしまいました。実は、Aさんは、Bさんの旧姓と同じで、名前も同じ。さらに生年月日も同じでした。この2人の個人データを、Bさんの健康保険組合が取り違えてしまったとみられます。

今回は、健康保険組合が、Bさんのマイナンバーを調べるため、漢字ないしはカタカナでの氏名、生年月日、性別で検索したところ、Aさんの情報が上がり、そのまま間違って登録したことが原因だとしています。

マイナ保険証に他人の情報が登録されたAさん:「私は下の名前に漢字があるんですが、相手(Bさん)は漢字がなかった。どうしてこんなことが起こるのか。全く別人なのにと思っていました。(Q.名字も変わってなかったら)そのまま(Bさんの薬が)処方されていたと思います。それは恐怖でなりません。薬剤師さんが、何度も何度も、30分以上かけて確認いただいたおかげで、飲み合わせが悪く、命を落としたり、体調不良になることはなかったんですけど、そうでなければ何か起こっていたかもしれない。Bさんの通われてる病院、お薬情報を見た時点で、これは知ってはいけないことじゃないかなと思いました。私の情報は、いったい全国民の誰にひもづいているんだろうと。重大なことだと思いました」

Aさんは、まず総務省に連絡しました。
マイナ保険証に他人の情報が登録されたAさん:「『それは発行後のことなので、私たちではどうにもできませんから、デジタル庁にかけてください』と言われたんです。そうなんだと思って、デジタル庁にかけました。『マイナンバーカードの電話番号があるので、そちらにかけてください』と」

関係省庁は、こうしたトラブルを把握しているのでしょうか。それぞれの大臣に、質問しました。
松本剛明総務大臣:「医療保険を管理・運営している保険者におけるデータ登録の課題になるものかと理解しており、厚労省で対応しているものと承知をしております」

河野太郎デジタル大臣:「事務的な保険者の手違いが原因と認識しております。詳細は厚労省にお尋ねいただきたい」

加藤勝信厚生労働大臣:「(Q.マイナ保険証で他人の情報があった事案の把握は)そういった事案があったことは認識しております。入力時において、間違った形で行われていたところが問題だから、そうしたことが起こらないように、今、起きているやつは是正をし、それから起こらないように、これからも注意していくこと」

もし、自分に同じことが起きた場合、どこに問い合わせればいいのでしょうか。厚生労働省に電話しました。
厚生労働省:「(Q.被害にあわれた方の対応する窓口は)実際にそうしたことを確認された場合、マイナンバーの総合フリーダイヤルがあり、そうしたところにお問い合わせをいただくか、あるいは自身の保険者に問い合わせいただくとか、そうした形で問い合わせいただいて、適切に対応させていただく」

厚労省から伝えられたフリーダイヤルは、総務省かデジタル庁につながるものでした。
デジタル庁:「(Q.対応窓口はこちらになりますか)ちょっと確認の方させていただきますので、お待ちいただいてよろしいでしょうか。お待たせしました。確認させていただいたんですけど、こちらの窓口ではございません。対応の窓口も、わかりかねます。ご意見は、お伺いできるんですけど、どちらの窓口でというのは、わかりかねる状況」

健康保険組合などによる誤登録が、全国で約7300件あったことがわかりました。そのなかで、Aさんと同様に、他人の情報が実際に閲覧されたケースが5件発生しているということです。厚労省は、マイナ保険証の誤情報に関しては、システムを運営している『社会保険診療報酬支払基金』、または、『国民健康保険中央会』に問い合わせてほしいとしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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