彩りも鮮やかな、その名も「ドライサラダ」。フルーツだけでなく、田原市で作られる野菜を乾燥させたチップスです。農業産出額が全国第2位の田原市。農家の間で問題となっていることの解決に役立てようと、田原市の企業・雅風(がふう)の藤井恵美子さんが、ドライサラダを作っています。
捨てられる運命のトマト
藤井さんが向かったのは市内の農家。ハウス内には、トマトが育っていました。ここで藤井さんが受け取ったトマトは、出荷できない規格外のものです。
「捨てられる運命のトマトなんです。まだまだ、食べられるし、捨てられてしまうのがすごくもったいないです。加工に使いたいと思います」(藤井さん)
トマトは、赤く実っていて食べごろのように見えますが、出荷規格からすると赤すぎるそうです。
「だいたい一回の収穫で、コンテナ2杯から3杯は規格外です。8割以上の農家が捨てていると思います」(鈴木農園 鈴木 教広さん)
規格外野菜のフードロス問題
決められた出荷条件から外れた「規格外野菜」を、食べられるのに捨ててしまう「フードロス」が、全国的な問題になっています。問題意識の高まりから、ここ数年で捨てられる食べ物の量は減っています。しかし、年間500万トン以上とまだまだ膨大な量の食品が廃棄されています。
藤井さんは、そうした廃棄される野菜を買い取ってドライサラダにします。
「捨てれば0円じゃないですか。例えば、ドライサラダの原材料にしてもらえば、100円でもプラスが出るので助かっています」(鈴木さん)
廃棄される菊芋をドライサラダに
次に向かった農家で藤井さんが手に取ったのは菊芋。食物繊維やカリウムなどの栄養素を豊富に含むといわれ、近年、注目されています。菊芋は、畑で次の作物を作る準備のために、廃棄される予定だったそう。
「例えばこういう菊芋などは、捨てるしかなくなってしまいます。自分たちが労力をかけて売ろうとするより、次に着手しないと畑が回らなくなってしまうんです」(G・ファーム 鈴木 領馬さん)
藤井さんは、これらの野菜を自社の加工場に持ち帰って、ドライサラダを作ります。まずは、水洗いで汚れを落とし、不要な部分をカット。薄めにスライスして、1枚ずつ並べます。
それを専用の食品乾燥機で10時間乾燥させると、うま味が凝縮した菊芋のドライサラダのできあがりです。食感はパリッとしていてゴボウのような風味もあり、そのまま食べてもサラダの上にトッピングしても良いと言います。
「私は農家育ちで、野菜を作るのはすごく大変な作業というのは見てきました。しかし、『捨てられるのはもったいない』と思って、何とかできないかと始めたのがきっかけです」(藤井さん)
ホテルやレストランとの取引も増加
8年前にドライサラダを作り始めた藤井さん。最近では地産地消や、広く流通していないものに注目するホテルやレストランとの取引も増え、2022年の売り上げは前年に比べて、約3割増加しました。
ロス野菜を減らすことが目標
「食品ロスの問題は、食べられるものを捨てることにとどまらず、捨てる過程の経費なども問題となっています。農業だけでなく水産業など、一次産業で規格外品を商品化する動きが広まれば、社会問題の解決と新しいビジネス創出のチャンスとなりそうです」(日本経済新聞社 名古屋支社 梅野 叶夢記者)
「ロス野菜を減らすっていうのが目標としてあるので、いろんな人が、いろんなものを作ったりすれば良いなと思っています」(藤井さん)
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