中国でも大型連休が始まった。現地メディアによると、コロナ禍前と同水準の2.4億人が移動する見込みだ。そんな中、ある地方の街では、若者が“串焼き”を求めて大混雑。「恩返し」のために来るのだという。そのワケは、コロナ禍の時の強制隔離にあった。
4月28日の金曜日。中国・上海のターミナル駅「上海虹橋駅」は、人混みであふれかえっていた。
旅行客
「帰省します。もう制限もないので、好きなところに遊びに行けます」
中国版のゴールデンウイーク、労働節の連休を翌日に控え、大移動が始まっていた。
北京の『万里の長城』も、多くの観光客で混雑していた。ロープウエーに乗ろうと列に並んで約30分。ようやく乗り場に到着したと思ったら、突然、警報が鳴り始めた。係員がロープウエーの扉を閉じる。ゴンドラが大きく揺れるほど、風が吹き荒れているためだ。
係員
「強風のため、いつ再開できるかわかりません」
列に並んでいた女性
「地方から来たんです。200元(約4000円)払って、ずっと並んでいるんです」
係員
「我々も中止したくはありません」
ゼロコロナ政策の終焉から約5か月。中国メディアによると、今年は、感染拡大前と同じ水準の約2億4000万人が移動する見込みだという。北京の観光名所「胡同」にも多くの人が押し寄せていたが、もうほとんどの人がマスクをしていない。
上海では、かつて“ゼロコロナ政策”のもとPCR検査場として行列ができていた小屋の一つが、いまでは警備員の待合所として使われているようだった。ほかの検査場も、肉まんなどが売られる朝食スタンドや、保険の手続きなどができる区役所の施設へと姿を変えていた。
こうした中、いま、北京から車でおよそ5時間の地方都市・山東省シ博市に、若者たちが押し寄せている。
──どこから来た?
旅行客
「ハルビン。(列車に)一日中乗りました。25時間です」
若者たちが向かったのは…。
記者「ぎっしり人が埋め尽くしています。うわー!」
広大な敷地に無数のテーブルが並べられていて、満員の人でにぎわっている。人々が囲んでいたのは「串焼き」だ。肉は羊や牛、鶏などで、この地域の名物料理だ。
「カンパーイ!」
宴会客たちが盛り上がる。
──なぜここに?
訪れた女性
「おいしいからです。この街の人はとても温かいですしね」
実は、シ博市には、コロナ禍の時、多くの大学生が強制隔離されていた。その時に提供された弁当が、量も多く栄養バランスも考えられているとSNSで話題に。そしていま、シ博市に「恩返し」したいと、多くの若者が、弁当にも入っていた名物料理の“串焼き”を食べに来ているのだ。
その人気にあやかろうと、シ博市はこの巨大な“串焼き会場”をわずか20日間で建設し、労働節の連休に間に合わせたという。
串焼き職人
「大学生やインフルエンサーに感謝しています。全部、彼らの影響です」
しかし、あまりの盛況ぶりにある問題が──。
店主
「串打ち職人が足りません。技術が必要で、誰にでもできる仕事ではないんです。私たちも一日2~3時間しか寝ていないんです」
そう話す店主の後ろには、職人を募集する大きな紙が貼ってあった。
──あと何人雇う予定ですか?
「10人でも20人でも雇いたい」
そう言って女性店主は、苦笑いした。
(2023年4月30日放送「真相報道バンキシャ! 」より)
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