世界初となる民間企業による月面探査計画「HAKUTO-R」プログラムの着陸船があと8時間ほどで、ついに月に着陸する予定です。着陸後の月面探査に使われるのは日本が誇る“おもちゃ”の技術です。
去年12月にアメリカ・フロリダ州から打ち上げられた月面着陸船。4か月余りの旅路を終え、ついに、日本時間のあす午前1時40分に月に着陸する予定です。
5日前に着陸船から撮影された写真には、月のクレーターの奥に青い地球が光っています。
この着陸船を開発したのは、日本の宇宙ベンチャー企業「ispace」。月面着陸が成功すれば民間企業としては世界初の快挙です。
ispace 袴田武史CEO
「多くの方々に注目して頂いているのを、ひしひしと実感している。色々な方に『頑張れよ』と」
今回、着陸船に積まれているのは…「変形型月面ロボット」です。着陸船で運ぶには「直径8センチ以内」という制約があるため、月に到着後、変形して、野球ボールと同じくらいの大きさの球体から車輪が出る仕組みになっています。このロボットが、月の表面にある「レゴリス」という細かい砂の上を走り、集められたデータは、JAXAによる有人探査車=「月を走る車」の研究開発に役立てられる予定です。
壮大なプロジェクトの一翼を担うロボットに使われているもの。それは日本の“おもちゃ開発”の技術です。
タカラトミー 大井崇司さん
「(おもちゃの)小さくシンプルに作る、軽く作るという技術が宇宙開発にうまくマッチした。おもちゃの技術が宇宙に使われた」
球体から車輪を出し形を変える仕組みには、“変形ロボット”「トランスフォーマー」の技術が活かされています。
細かい月の砂でも走ることができる車輪の動きには…“メカ生命体”「ZOIDS」シリーズで人気を集めている組み立て式玩具の滑らかな関節の動きが使われているといいます。
タカラトミー 大井崇司さん
「実は自分たちが今手の中に持っている、おもちゃが宇宙開発に繋がっている。自分の大好きなものが宇宙に繋がっているという夢を、ワクワクを感じてほしい」
JAXA有人宇宙技術部門 河合優太さん
「JAXAアクティビティ2のリリースメカニズムチェックアウトを開始します」
おもちゃ技術の活躍にJAXAも期待を寄せています。きのう、JAXAでは、月面を再現した施設で、ロボットを動かす最終訓練が行われました。
JAXA有人宇宙技術部門 河合優太さん
「月面でロボットを走行させて、データを取ったことがない。将来の月探査に灯りをともせるようなデータを取得したいと思っています」
ただ、実はこのロボット、任務の後は月で…
JAXA有人宇宙技術部門 河合優太さん
「役目を終えた後はこのロボットは、月面に残って最後を迎える。見上げるたびにこのロボットが、月にいることに思いをはせることになります」
将来ロボットを迎えにいけるのか?世界初となる民間企業による月面着陸は、間もなくです!
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