理研が国産初の量子コンピューターを発表しました。スーパーコンピューターと比べてもケタ違いの計算速度を誇り、私たちの世界を大きく変えていく可能性があるそうですが、一体どんな活用が期待されているのでしょうか。
■国産初!量子コンピューター 1万年かかる計算問題を3分20秒で
久保田智子編集長:
理化学研究所が国産初の量子コンピューターを公開しました。量子コンピューターとは「極めて小さな物質の振る舞いを表す量子力学の原理に従って計算を行う次世代計算機」らしいのですが・・・これでは分かりません!笑
ということで専門家に聞きました。
量子コンピューターの応用分野の第一人者、寺部雅能さんによると「何兆通りの組み合わせを同時に探索可能なコンピューター」ということで、これにより“ケタ違い”の計算速度になるというんです。
Googleの発表では、スーパーコンピューターで1万年かかる計算問題が、量子コンピューターでは3分20秒で答えが出たものもあるというんです。
■量子コンピューターで生活どう変わる?
では、私たちの生活にどんな変化をもたらすのでしょうか。例えば「渋滞の解消」です。
【渋滞の解消】
カーナビなどを使うと、その車に適した目的地までの最短ルートを示してくれます(=個別最適)。
しかし、道路を走るのは車1台だけではありません。周りの車の状況などが変わったら次第に渋滞ができてしまうことも。つまり、走る車ごとに“個別最適”をしても、スムーズに目的地に辿り着けるとは限りません。
一方、量子コンピューターを使うと、その時の道路の状況など、“全て”を最適化したルートを判断。それぞれの車に高速で示すことができるため、渋滞が発生せずスムーズに目的地へと向かえます。
【薬の開発】
薬に使用する素材の最適な組み合わせを高速で計算できるので、例えば新型コロナのような新たな感染症などに緊急対応ができる可能性があるとしています。
【暗号解読】
一方で懸念もあって、ハッキングなどの暗号解読も高速にできてしまう恐れがあります。そのため、それに対抗するためのセキュリティ対策が強化されていくとしています。
小川彩佳キャスター:
国防という意味でも、国産の量子コンピュータが生まれたというのが非常に大事なわけですね。
久保田編集長:
欧米や中国が開発で先行する中で発表された“国内初”の量子コンピューターなんです。
理研は3月27日にインターネットを通じて公開し、まずは共同研究者などからの利用ができるようにするとしています。
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