グルーミングとは……性的被害専門のセラピストに聞く ジャニーズ事務所取材のBBC記者

グルーミングとは……性的被害専門のセラピストに聞く ジャニーズ事務所取材のBBC記者

BBCはイギリスで今月7日(日本では今月18日と19日)、芸能事務所のジャニーズ事務所を創設した故ジャニー喜多川氏と性的加害の問題を取り上げるドキュメンタリーを放送した。

取材を担当したBBCのモビーン・アザー記者は、喜多川氏から体を触られた経験について話す元ジャニーズJr.の男性が、「今でもジャニーさん大好きですよ」と笑って話す様子に、「これこそグルーミング」の影響だという思いを抱いた。「グルーミング」とはこの場合、「わいせつ目的で相手を手なずける、懐柔行為」を意味する。

これを端的に一言で言い表す表現がまだ日本では定着していない状況で、グルーミングとその影響や、男性に対する性的加害の影響が、日本でどう受け止められているのか知るため、アザー記者はセラピストの山口修喜氏に話を聞いた。

性的虐待の被害を受けた男性を専門に支援するセラピストは、日本では少ない。その数少ない1人の山口氏は、「日本には恥の文化があります。なにか個人的な問題を抱えていても、日本人はそれを口にしない」とアザー記者に説明した。

さらに、「性的虐待では、特別な絆が生まれることがある。それがグルーミングです。そうしたものが、性的トラウマをとても複雑なものにしている」と山口氏は指摘し、「回復への第一歩として、まず被害に遭ったと認めることが必要です」と話した。

週刊文春は1999年、10代の頃に喜多川氏から性的虐待を受けたというアイドル志願者10人以上の主張を記録した記事を次々と掲載。喜多川氏とジャニーズ事務所はこれについて文藝春秋を名誉毀損(きそん)で訴えたものの、東京高等裁判所は2003年7月の判決で文春の報道について、「セクハラ行為」に関する記事はその重要な部分において真実であることの証明があったと認めた。ジャニーズ側は上告したが、最高裁は2004年2月に上告を棄却。東京高裁判決が確定した。

(編集部注:この映像はイギリス放送版より。日本を含め世界放送版には、放送枠の関係で含まれなかった)

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https://www.bbc.com/japanese/video-65048474

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