高市大臣が「捏造(ねつぞう)」と主張した行政文書を巡り、総務省は「担当者に捏造した認識はない」と明らかにしました。高市大臣は国会で「信用できないなら質問しないでほしい」との自身の発言を撤回する事態に追い込まれています。
■“総務省文書”委員長から異例注意
20日の参議院予算委員会。委員長からの高市大臣への注意から始まりました。
末松信介予算委員長:「この際、委員長から一言申し上げます。先日の委員会におきまして、杉尾秀哉君の質疑中に高市国務大臣から『答弁が信用できないなら質問をしないでくれ』といった発言があったことは誠に遺憾であり、この場で注意させていただきたいと思います」
経済安保担当・高市早苗大臣:「この私の答弁が答弁を拒否していると、受け止められて国会のご審議にご迷惑を掛けることは、私の本意ではございません」
そして、続いて質問に立った自民党の議員からも…。
自民党・広瀬めぐみ議員:「様々な事情がおありと拝察致しますが、与党自民党の立場としましても、この大臣のご発言は遺憾なものと申し上げざるを得ないと思っております」
末松委員長はいったん、退席しようとする高市大臣に再び声を掛けました。
自民党・広瀬めぐみ議員:「もうご退席頂いて結構でございます。ありがとうございました」
末松委員長:「高市大臣。高市大臣。ちょっとお待ち下さい。閣僚が国会議員の質問する権利について揶揄(やゆ)したり、否定したりするのは本当に大きな間違いであると思うんです。この部分だけはぜひ省いて頂きたい。そのことを思っております。これは私の思いでございます。それだけ強く述べさせていただきます」
取り上げられている高市大臣の発言があったのは15日です。
立憲民主党・杉尾秀哉議員:「全く信用ができません。あなたの答弁はどうですか」
経済安保担当・高市早苗大臣:「私が信用できない、答弁が信用できないならもう質問をなさらないで下さい」
20日午前中、高市大臣は末松委員長の注意を重く受け止めるとはしたものの、謝罪や撤回はしませんでした。
立憲民主党・小西洋之議員:「この発言について謝罪、撤回する考えがあるかどうか明確に答弁をお願いします」
経済安保担当・高市早苗大臣:「国会においてこれまでも質問をいただきましたら、真摯に答弁して参りましたし、今後も真摯に答弁を続けて参りたいと存じます」
■高市大臣「質問しないで」撤回
野党からの謝罪の要求にも応じず、委員会はいったん中断されました。そして、休憩をはさんだ約2時間後。
経済安保担当・高市早苗大臣:「『答弁が信用できないんだったら、もう質問なさらないで下さい』という答弁についてのみは撤回をさせていただきます」
撤回はしました。高市大臣が捏造だとする行政文書の1枚には放送行政の官僚、3人の名前が記載されています。
立憲民主党・小西洋之議員:「自分たちはありもしないことを故意にあることとして、何らかの記載をした、捏造したというふうに証言しているのでしょうか」
総務省・今川拓郎官房長:「捏造という認識を改めて確認したところ、3人のものいずれもそのような認識はないとのことでした」
捏造はしていない、ということなのでしょうか。
松本剛明総務大臣:「捏造をしていないという発言だと受け止められると考えていますが、他方でこの文書については本件のレクについて記憶にない、あったとも思わないとの発言もあることから正確性が確認できないと補足させていただいたところです」
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