パソコンに質問を打ち込めば“何でも答えてくれる”と話題の対話型AI『ChatGPT』の最新バージョンが15日に発表されました。
新たに発表されたバージョン『GPT-4』は、従来の8倍となる2万5000語の文章が扱えます。数学や化学といった専門的分野では、人間レベルのパフォーマンスを発揮するという触れ込みです。
実際、アメリカの司法試験の模擬テストを受けさせたところ、上位10%程度の成績で合格。今までのバージョン『GPT-3.5』では下位10%で不合格となっていて、段違いの能力です。
【“対話型AI”の実力は】
GPT-4の主な特徴として「文章要約」「シナリオ作成」「コード生成」「画像読解」が挙げられます。特に画像読解は、今回新しくできるようになりました。
文章要約は、これまでよりも蓄積されたデータ量が膨大に増え、精度も上がりました。例として、有名な小説を要約してもらいました。
(Q.夏目漱石の小説『坊ちゃん』を100文字で要約して)
GPT-4:「『坊ちゃん』は夏目漱石の代表作で、明治時代の日本を舞台に、都会から地方の学校に赴任した熱血教師・坊ちゃんの成長を描く。彼は腐敗した学校の体制に立ち向かい、自身の信念を貫く姿が描かれる。ユーモアと皮肉が交じる独特の筆致が魅力」
このような会話によって蓄積した情報から、アイデアも提供します。今度は小説のシナリオを考えてもらいました。
(Q.報道ステーションの大越健介、渡辺瑠海、井澤健太朗を主人公にした短編小説を作って)
GPT-4:「題名:『報道の奇跡』。ある冬の夜、報道ステーションの人気キャスター大越健介、渡辺瑠海、井澤健太朗の3人は、ある雪に閉ざされた村で取材を行っていた。『この村に伝わるという伝説の真相を暴くために来たんだ。しかし、どうも住民は話したがらないみたいだね』大越健介はいら立ちを隠せなかった。渡辺瑠海は微笑んで言った。『まずは地元の人たちと信頼関係を築こう。そうすれば、きっと話を聞いてくれるよ』井澤健太朗は賛同し、3人は村人たちと触れ合いを深めるために、村のお祭りに参加することにした」
他にもコード生成ができるので、専門知識がなくてもプログラミングをしてくれます。また、画像読解では、手書きのメモ帳の写真を読み解いて、ホームページを作ることも将来的にはできるということです。
AI研究の第一人者である東京大学大学院・松尾豊教授によりますと「ChatGPTはインターネットに匹敵するイノベーション」だとしています。また“仕事”と“教育”に大きな影響をもたらすといいます。
仕事面については「将来的に事務作業をChatGPTが担うことになり、一部のホワイトカラーの仕事がなくなる可能性がある。具体的にはアイデア出し、リサーチ、情報整理、社内の人事評価、ライターや弁護士の初期相談もChatGPTに代わるかもしれない」ということです。
また、教育面については「生徒のレベルに合った回答で、教育の取り残しを防ぐ役目も。試験もペーパー形式からChatGPTとの対話形式になり、会話から“認知力”や“知識”が問われるようになる」としています。
ただ、懸念として「文章の生成力が高いので、虚偽情報が氾濫する可能性もある」としていて、事実確認や情報の見極めが必要になりそうです。
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