【報ステ】「ロシア軍は“肉の盾”を使っている」要衝“バフムト”防衛部隊の証言(2023年3月9日)

【報ステ】「ロシア軍は“肉の盾”を使っている」要衝“バフムト”防衛部隊の証言(2023年3月9日)

ロシアが大攻勢をかけているウクライナ東部・バフムト。ウクライナ軍の司令官は、1週間に3回もバフムトを訪れ、兵士らを激励しました。それだけ厳しい状況であることを意味しているのかもしれません。

NATOは、バフムトの50%が、もうロシア軍の占領下におかれたと分析しています。中心部は3方面から包囲されつつあり、残る陸路はあと一本。撤退するなら“今”しかないかもしれません。
NATO・ストルテンベルグ事務総長:「ロシア軍には、大きな損害が出たものの、バフムトが近日中に陥落する可能性は否定できません」

そのバフムトを守っているウクライナの精鋭部隊“第3突撃旅団”。前線の人は、どう受け止めているのでしょうか。
ウクライナ軍・第3突撃旅団報道官:「これは私個人の意見ですが、ロシア軍は近く、状況は厳しい。ただ、バフムトは包囲されていません。(Q.道路が一つだと補給に支障があるか)状況は厳しいですが、補給に影響はなく届いています」

ただ、心配なのは兵力と砲弾の“量”だそうです。ロシアは、民間軍事会社『ワグネル』をバフムトに投入し、人海戦術を展開しています。
ウクライナ軍・第3突撃旅団報道官:「ワグネルの部隊は受刑者を使って、訓練もないまま、装備もろくに与えず、最前線に送る。撤退しないように銃を向け、前進させる。“肉の盾”を使うのがロシア軍です。歩兵の技術は低く、受刑者や動員兵を使いますが、背後には戦車があり、訓練をした砲兵部隊がいます」

バフムトの戦闘だけで、最大1万人のロシア兵が命を落としたといわれています。ウクライナ側の被害は、ロシア側の5分の1と分析されていますが、それでも死者数は数千人に上ります。

最前線の負傷兵を助けている軍医のポノマレンコさん。もともと、キーウの小児科で外科医として働いていました。バフムトに派遣されたのは3カ月前です。いまは、2日ごとに最前線と後方を行き来する日々を送っています。
ウクライナ軍第3突撃旅団・ポノマレンコ軍医:「我が旅団は突撃旅団です。敵と激しい戦闘を行っている時期、突撃する時期は、最前線から5キロほどのところに1週間いることもあります。負傷者を搬送するときだけ30キロほど離れた場所に行きます。そして、またすぐ戻る」

ときには、装甲車に乗って、最前線の負傷兵の救助に向かい、治療も装甲車の中で行うという極限状態も経験しました。
ウクライナ軍第3突撃旅団・ポノマレンコ軍医:「こんな環境には慣れていません。慣れているのは、完ぺきに清潔で、無菌な環境です。医師という名だけは一緒だが、すべて異なります」

キーウに、妻と2人の娘を残し、バフムト防衛に身を投じるポノマレンコさん。10日、また最前線に戻らなければなりません。
ウクライナ軍第3突撃旅団・ポノマレンコ軍医:「もちろん怖いです。特に最前線に兵士を避難させために呼ばれたときは、恐怖です。軍に行った使命感を果たすために、その恐怖に打ち勝ちます。私たちは兵士を助けるため、最大で最適な処置を行うためにいます。私たちは喜んで任務に向かいます。同僚もみんな早く任務につきたいと思っています」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

社会・政治ニュース動画カテゴリの最新記事