6日、国会で野党が追及したのは、放送法に定められた政治的公平性の解釈をめぐる問題です。
立憲民主党・石橋通宏議員
『この問題が時の権力者によって、自らに都合の悪い報道や番組が あった、それを変更させる介入する言論封殺ではないか』
発端は先週木曜日。
立憲民主党・小西洋之議員
『これが総務省の職員の方から提供を受けた内部資料』
立憲民主党の小西議員が公表したのは、総務省の内部文書とされるものです。野党側は「言論の自由の根幹である放送法の解釈が安倍元首相側の 圧力によって変更された」と訴えています。
政府はこれまで放送の政治的公平性が確保されているかは、『一つの番組をみて判断するのではなく、テレビ局が放送する番組全体をみて判断する』との原則的な解釈を示しています。しかし総務省の内部文書とされるものには、安倍政権下の2014年から15年にかけて、当時の礒崎首相補佐官が総務省に解釈を変更するよう強く求めたことが記されていました。
礒崎氏が総務省に示したとされる案では、『一つの番組のみでも、極端な場合においては、「政治的公平性」を欠き、放送番組準則に抵触することとなる』と、“特定の政治意見に偏っている場合は放送法違反”との考え方を示していました。
小西議員が公表した文書には、総務省側に対する礒崎氏の発言もありました。
当時の礒崎首相補佐官(文書より)
『けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要があるだろう』
また官邸内には解釈の変更に慎重な意見があったにもかかわらず、当時の安倍首相について『意外と前向きな反応』『首相からは現在の放送番組にはおかしいものもあり、こうした現状は正すべき等のご発言』との記述もありました。
2016年当時の高市総務大臣は、政治的公平性について「一つの番組でも極端な場合には政治的公平性を確保しているとは認めない」と国会で答弁。政府はこれを解釈の変更ではなく「補充的説明だ」と主張しています。
社民・福島瑞穂党首
『安倍首相とどういうやりとりが あったのか、きちっと調査精査すべきじゃないですか。報道の自由を守ってください』
岸田首相
『結果としてこれは報道の自由への介入等の指摘はあたらないと考えております』
野党は、小西議員が入手した文書と同じものが総務省内に保管されているのではと追及したところ、礒崎氏から働きかけがあったことを認めました。
松本総務相
『総務省が礒崎総理補佐官からお問い合わせを受け、これを契機として当該解釈の補充的な説明が示されたことは確認されていると』
野党側は礒崎氏や総務省担当者の証人喚問を求めています。
(2023年3月6日放送「news every.」より)
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