ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、24日で1年となります。モスクワ市内を取材すると、意外な光景が見られました。ある“抜け穴”で、西側諸国による経済制裁をくぐり抜けていたのです。また中国企業は、欧米企業が撤退した穴をカバーしていました。
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ロシアの首都・モスクワにあるスキーリゾートは、ウインタースポーツを楽しむ人たちでにぎわっていました。2022年12月にオープンしたばかりで、人気のスポットになっています。
利用客の女性
「ここは初めてです。とても気に入りました」
――生活は変わりましたか?
利用客の男性
「大して変わりません」
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ウクライナとは対照的に、ロシア国内は日常の光景が広がっていました。欧米諸国による経済制裁の影響は出ていないのでしょうか。
モスクワ市内の輸入車販売店を訪ねると、真新しいドイツの高級車「ポルシェ」(1台・約3000万円)が並んでいました。西側諸国の経済制裁により、メーカーから仕入れることはできませんが、“抜け穴”が存在しています。
輸入車販売店の担当者は「カザフスタンなどの販売店から輸入できる」と明かしました。“メーカーがロシア以外の第三国に輸出した商品を仕入れる”という手法によって、モスクワ市内ではいまだに海外の高級品が手に入るとしています。
さらにショッピングセンターを訪ねると、侵攻後に撤退したスポーツブランド「アディダス」のすぐそばに、中国のスポーツブランドが運営する真新しい店が入居していました。欧米企業が抜けた穴を、中国企業がカバーしていました。
ロシアが20日公表した2022年のGDP(国内総生産)は、マイナス2.1%でした。当初の予測と比べ、小幅に下落しました。これを受けて、プーチン大統領は21日、「(西側の経済制裁は)何も成し遂げることができないだろう」と述べました。
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モスクワ郊外に暮らす家族は、今のロシアをどう感じているのでしょうか。
妻・アリーナさん(34)
「心配は何もありません。特別軍事作戦が始まった時は、心配していましたが」
週末、アリーナさんは家族そろって買い物に出掛けました。すると…
妻・アリーナさん
「(コーヒーは)今は500ルーブル。200ルーブル(約360円)値上がりしました」
制裁の影響なのか、商品は軒並み値上がりしている状況です。ただ、モノが不足するようなことはないといいます。
この戦いについて、夫・パベルさん(36)はネットを使って、情報収集をしているということです。
夫・パベルさん
「何が起きているか、フォローしています」
妻・アリーナさん
「“死ぬ”こと、“殺す”ことを認めません。認めてはいけません」
一方で、「プーチン大統領はソ連崩壊後、“どん底”となった経済を復興させるなど大きな業績を残している」と評価しています。
妻・アリーナさん
「彼の時代になって、ロシアが変わったのは間違いのない事実です」
夫・パベルさん
「誰でも自分の国が強くあり、権威を持つことを望んでいると思います」
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独立系世論調査機関「レバダセンター」が2月に実施した調査によると、戦闘の長期化にもかかわらず、プーチン大統領の支持率は82%でした。
高い支持率について、レバダセンターのレビンソン社会文化研究部長は、ロシア人の”大国でありたい”という願望が根底にあると分析します。
独立系世論調査機関「レバダセンター」レビンソン部長
「プーチン大統領の支持率が上がるのは、アメリカと戦うことが“ロシアが大国であることを証明することになる”と信じているからです。ソ連が崩壊し、大国である感覚を失ったロシア社会には必要なのです」
プーチン大統領
「ロシア民族よ 団結せよ! ロシア! ロシア!」
ウクライナ侵攻から1年、プーチン大統領は国内世論を巧みにコントロールし、侵攻を継続するための体制を整えています。
(2023年2月24日放送「news every.」より)
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