記者やデスクがとってきた、気になるニュースの裏側を解説する「ウラどり」。
今週、ロシアによるウクライナ侵攻から丸1年を迎えるわけだが、この間、世界は一変した。
世界各国では、人々の暮らしにどんな影響があったのか。
FNN北京支局の葛西友久記者が中継でお伝えする。
欧米による経済制裁を受けるロシアだが。そこに乗じて貿易を拡大しているのが中国。
その両国の関係を象徴する中ロ国境の町、黒竜江省黒河市を、19日に取材した。
アムール川を境に手前が中国、川を挟んで奥側がロシア。
ここに2022年6月、開通したのが、全長およそ1kmの赤い橋。
橋につながる道路の両側には、3km以上にわたって大量のトラックが止まっていて、地元の人によると、中国製の新品のトラックで、全てロシアに輸出されるという。
また、街の大型スーパーでは、ロシア製の食品であふれ、買い物客でもにぎわっていて、結びつきの強さを感じた。
街の人に、ウクライナ侵攻について聞いた。
黒河市民「私たちはもちろんロシアを支持します。中ロ関係はとても友好的で、貿易も多くて距離も近い。これからの発展を個人的にはいろいろと期待できる」
中ロ全体の貿易額は2022年、前の年に比べて3割ほど増え、およそ25.5兆円と過去最高となった。
ここで注目のウラ情報は「したたかな戦略で中国はロシアを利用?」。
貿易の中でも特に伸びたのが、欧米による経済制裁で割安となった、ロシア産の原油。
中国のエネルギー事情にくわしい関係者によると、国際市場の価格よりも、3割ほど安く仕入れることができたという。
ロシアとの貿易拡大を通じ、中国は自らの利益を確保する一方、戦時下の苦しいロシアを下支えしている状態。
こうした中、アメリカのブリンケン国務長官は、中国がロシアへの軍事支援を検討しているとけん制。
これに対し、中国は「戦場に武器を提供し続けているのはアメリカだ」と強く反発した。
中国外交トップの王毅政治局委員が21日、ロシアを訪問する予定だが、こうした動きはアメリカとの対立をふまえ、ロシアとの関係をカードの1つとして使いたい思惑もあるとみられる。
打算的にロシアを利用したい。
中国には、そんな思いもあるとみられる。
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