横浜市金沢区で車やバイク、合わせて5台が巻き込まれたひき逃げ事件で、78歳の男が逮捕されました。男は容疑を否認していますが、警察への取材で、「車で散髪に行っていた」と話していることが分かりました。
■事故現場には…追突車の“ブレーキ痕”なし
事件が起こったのは、横浜市金沢区の住宅街を走る県道。17日午後0時40分ごろ、多くの車が行き交う時間帯でした。
県道沿いに設置された防犯カメラには、事故の一部始終が記録されていました。
画面左から車が2台、警察官が乗ったバイク、そしてワゴン車とバイク2台が停車した瞬間、後ろから来た青い車が衝突。バイクの運転手はボンネットに投げ出されます。バイクをはねた青い車は、前の車を押し出すようにぶつかります。
投げ飛ばされたバイクの運転手は、呆然とした様子で辺りを見渡し、自力で起き上がります。
バイクに乗っていた被害者男性：「後ろから衝突されて、気付いたら自分が倒れていたみたいな状況でした。何が起きたのか分からなくて、後ろ振り向いたら、自分のバイクがぐしゃぐしゃになっていて」「（Q.どのくらいスピードが出ていた？）自分は止まる寸前くらいのスピードだったが、相手はたぶん30～40（キロ）くらいは出ていた」
別の防犯カメラには、スピードを落とすことなく青い車が追突する様子が映っています。ぶつかった衝撃でバイクの破片が激しく飛び散っています。
さらに、駐車中だった車のドライブレコーダーにも、映像が残されていました。
車間距離を空けて停止する車。そして、激しい音とともに青い車が追突。次々と前の車を押し出し、3台先の車にまで玉突き状態になりました。
衝撃で、後ろのワゴン車はフロント部分が大破。車と車の間に止まっていたバイクの警察官は後ろから押され、前の車に衝突。その勢いで地面へと投げ出されてしまいます。
救護に参加した人：「（追突された）運転手もすごい大変そう、つらそうでした。首もすごく痛そうでした。一番前の方も衝撃で首が痛そうでした。お巡りさんが一番大変そうでした」
車とバイク、合わせて5台が巻き込まれ、バイクに乗っていた警察官が右手首を骨折するなど、少なくとも4人が重軽傷を負いました。
事故現場には、追突した青い車のブレーキ痕はありませんでした。
■現場から逃走…目撃者「普通に走ってる感じ」
さらに、ドライブレコーダーには事故が起きた後の様子も記録されていました。
追突された車に乗っていた男性が電話を掛けながら車から降りてきます。どこかを痛めたのか、道路脇に座り込みます。
車道では、追突した青い車に男性が近付き、運転手に話し掛けています。
しかし、青い車の運転手は降りることなく、そのまま走り去っていきます。
現場に居合わせた人：「止まっていはいたんです、1分2分とか。最初もう全然、逃げる気配はないのかなと思ったんですけどね。通行人の人だと思うけど、ぶつかった運転手さんと窓越しでなんかしゃべっていたんです。このまま収まるのかなと思っていたら、その窓越しでしゃべっていた通行人の方が『逃げちゃ駄目だよ』と大声を出したんで。見たら行っちゃって」
事故を起こした運転手は逃走。そのおよそ2分後、現場から300メートルほど離れた場所で、逃走の様子が目撃されていました。
その時に撮影されたドライブレコーダー映像です。
反対車線を走る青い車をよく見ると、フロント部分が大破した状態で走り去っていきます。
目撃した人：「向こうから、バンパーが半分はずれた車が走ってきたので。このとき時は、事故があったの知らないので、なんだあれっていう。どこか慌てた感じもなく、普通に走ってる感じに見えましたけど」
■目撃者「駐車場にボンネットめくれた車あった」
過失運転致傷とひき逃げの疑いで逮捕されたのは、横浜市金沢区に住む無職で78歳の川合廣司容疑者です。
川合容疑者：「車を運転して、散髪しに行った」
警察に対し、事故後、「散髪に行っていた」と供述している川合容疑者。事故から30分後には、およそ800メートル離れた理髪店の近くで川合容疑者が乗っていたとみられる車が目撃されていました。
目撃した人：「後ろの駐車場で、ボンネットがめくれた車があったので。おかしいんじゃないかなという感じで見た。止まっていた駐車場は、美容室の駐車場みたいで。そこに1台だけ、ポンと止まっていたって感じですね。最初、整備でもしているのかなって。ボンネットを開けているような感じだったんですよ。ただボンネット閉めても、山の字になっているんで、事故に遭われたか、ぶつけたか。そういう状態なのかなという認識でしたね」
この男性が目撃した1時間後には、すでに車はなくなっていたといいます。
■容疑者を知る人「温厚な方」「慎重そのもの」
追突後、なぜ、けが人を放置して逃走したのか。川合容疑者の自宅近くに住む人は、次のように話します。
川合容疑者を知る人：「私が知っている範囲では、本当に文字通り温厚な方で。今朝初めて知ったんですよ。びっくりしちゃってね、えーっと思った。公園の掃除とかなんとか、年に何回かあって。掃除も一緒にしていたんですよ。その時は、話するんでね。立派なお方ですよ」
事故後、車で自宅まで戻った川合容疑者。車庫のシャッターは閉められ、中の車の様子は分からなくなっていました。
警察の取り調べに対して、川合容疑者は「事故を起こした記憶はなく、逃げた認識もない」と容疑を否認しているということです。
さらに、車に付いた傷についても「（車の傷は）当て逃げされてできた」と、今回の事故で付いた傷ではないと説明しています。
川合容疑者を知る人：「健康そのもので、体調管理もちゃんとやって。私よりやっているんだろうから、本当、想定できない。運転上手いとかは分からないけれどもね。ぶつけたとかいう話も聞いてませんから。本当に温厚な方で、慎重そのものって感じを受けてます」
（「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年2月20日放送分より）
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