ウクライナにある極秘施設。収容されているのはロシア兵の捕虜たちです。
そのうちの一人に話を聞くと「3日間の訓練と言われていた」「そして、違う場所に連れて行かれた」と、戦場に行くことは告げられていなかったと証言しました。
■ウクライナ“極秘収容所” “清潔さ”の背景は…
増尾聡 記者
「左足に包帯が巻かれています。おそらく戦地でけがを負ったんだろうと思います。寒空のもと待機させられています…」
所在地を明かさないことを条件に撮影を許可された、ウクライナの極秘施設。捕虜となったロシアの兵士たちが収容されています。
増尾記者
「建物の中に入れるということで、中に入っていきたいと思います。比較的、光が入ってきているという感じです」
このとき停電していたため廊下は真っ暗ですが、捕虜たちが使うベッドはきれいに整えられ…。
増尾記者
「こちらはトイレですね。比較的きれいな印象」
驚くほど清潔に保たれた施設内。国連の人権監視団は2022年11月、ロシア・ウクライナ双方に捕虜の不適切な扱いがあったとして改善を求めていました。
■「3日間の訓練と言われ…」見捨てられたロシア兵
この施設では医療設備も充実。個室で療養していたのは、右足を失った男性でした。
ロシア兵捕虜(44)
「戦争にはもう二度と行きません」
ウクライナ東部で、親ロシア派が「ドネツク人民共和国」として支配する地域に住んでいたウクライナ人です。
ちょうど1年前。ロシアが軍事侵攻を始める3日前に軍隊から手紙を受け取ったといいます。
ロシア兵捕虜
「入隊通知が届きました。3日間、演習場で訓練だと言われたんです。そして結局違う場所に連れて行かれました」
軍事侵攻とは告げられずに、前線へ送られた男性。塹壕を掘る任務中に飛んできた砲弾で、仲間は死亡し、自身も右足を失いました。
ロシア兵捕虜
「上官は『助けに行く』と言いましたが、電話の向こうで別の人物の『遠すぎるから(助けに)行かないぞ』という声が聞こえました。『仲間を見捨てない』と言っていたのに見捨てられたんです」
■「プーチン氏が最高司令官」 ロシア将校の“肉声”
この施設には、幅広い年代の捕虜たちが収容されています。
ウクライナ側の係官
「捕虜は運動したり教育を受けたりする権利があります」
収容されているのは、末端の兵士だけではありません。彼はロシア北西部出身の33歳で、28人の部隊を率いるロシア軍の将校です。任務中に銃撃され、気がついたときにはウクライナの病院にいたといいます。
捕虜となったロシア軍将校
「特別軍事作戦ということは知っていた。私たちは任務を与えられていた。命令があればそれに従わなければならない」
4歳の息子をもち、幼いころにはウクライナで暮らしたこともあるといいます。捕虜の交換でロシアに帰れた場合、再び戦地に戻るか、と尋ねると…。
捕虜となったロシア軍将校
「自分の意思で(戦場に)戻りたい人はいない。でも帰ったらロシアがどうなっているかわからない。他に選択肢はないので、命令があれば戻ると思う」
今回の侵攻を「ばからしい戦争」「止めるべきだ」と話す一方で、軍事侵攻を始めたプーチン大統領について聞くと…。
捕虜となったロシア軍将校
「(プーチン氏の)計画について何も知らないし、何を達成しようとしているのか知らない。ある程度、時間が経たないとわからないと思う。私にとっては彼(プーチン氏)が最高司令官だ」
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