東京・八王子市の精神科病院で職員の男が患者に暴行を加えたとして逮捕されました。テレビ朝日が入手した映像には、職員が患者の顔を何度もたたくなど日常的な暴行を伺わせる様子が映っていました。
ベッドに横たわる患者の頭を手で繰り返し押さえつける病院の職員。さらに別の映像では、食事の時間を待ち遠しくしていた患者が「もうすぐご飯」などと話した矢先…。
職員:「しゃべるなって言ってんだろ!黙ってろ、飯食うまで」
こうした数々の暴行とみられる様子が記録されていたのは、八王子市にある滝山病院です。
ホームページには精神科・内科・認知症介護といった診療を行い「患者様は家族である」などと記載。
滝山病院のHPから:「当院では患者様を何より尊重し、医師・看護師・介護士の介助の元、施設内を自由に活動して頂ける環境を整えています」
しかし、実情は「紹介文」とは大きく乖離(かいり)していたのかもしれません。
15日までに、滝山病院に勤務する看護師の50代の男が患者の頭を殴ったとして逮捕されました。
警視庁によりますと、この看護師を含め4人が去年、暴行の疑いがあると告発されていて詳しい実態について捜査が進んでいます。
職員による入院患者への暴行の疑いで警視庁が捜索を行った滝山病院。看護師ら4人が患者の顔を殴るなどし、院内で日常的に虐待などが行われた疑いもあります。
この病院は288床のうち255床が精神科で、医師は常勤と非常勤を合わせて11人。看護師が常勤と非常勤で176人となっています。
東京都は15日、臨時の立ち入り検査を行い、暴行に関する入院患者や職員への聞き取りなどをしていたことが分かりました。
滝山病院内部の様子を語ってくれたのは、これまで数回、入院患者に面会したという男性です。
全国「精神病」者集団・桐原尚之さん:「とにかく(職員の態度が)横柄というか、普通の人に対する接し方では考え難い対応でした。スタッフと話した時にスタッフからは返事も返ってこない。すごく閉鎖的な印象を受けました」
また、職員の態度だけでなく環境面にも問題がありそうだったと指摘。
全国「精神病」者集団・桐原尚之さん:「建物なんですが、入った途端に黒カビの鼻をつくような悪臭がした。妙な結露のような湿気があったり、古い感じ」
一方、病院側はテレビ朝日の取材に対し「事件については捜査や調査が入っているため、お答えできません。警察の捜査や行政機関の調査には全面的に協力していく所存です」とコメントしています。
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