【独自】歯科矯正トラブル “会議音声”驚きの発言…元幹部も証言「20億円が消えた」【もっと知りたい!】(2023年2月16日)

【独自】歯科矯正トラブル “会議音声”驚きの発言…元幹部も証言「20億円が消えた」【もっと知りたい!】(2023年2月16日)

 歯科矯正の治療費を巡り、患者150人以上がクリニックの運営会社に総額2億円近くの損害賠償を求めている問題。独自入手した運営会社の社内会議の録音データには、さらなる被害額の大きさをうかがわせる驚きのやり取りが記録されていました。

■元幹部に取材 衝撃の事実…驚きの内部事情

 運営会社「グランシールド」元幹部の30代男性:「本当に多くの被害者の皆さんを見ていて、真実を話さなければならないと思って、やって参りました」

 被害 約130万円 女性(30):「完全にばかにしてますよね、この人。笑い話とか意味分からなくないですか?笑い話じゃないですよね」

 歯科クリニックの運営会社「グランシールド」の元幹部への取材で、次々と明らかになる衝撃の事実。さらに、運営会社の社内会議を録音した音声を入手しました。

 幹部:「残債がどれくらい足りないかっていうのを…ざっくりどれくらいですかね?」

 社長とみられる男性:「信販会社と普通のローンと現金とカード合わせて、10億くらい?」

 幹部:「17、18億くらいはあると思います」

 幹部:「1円も残ってないんですか?お金」

 驚きの内部事情が分かってきました。

■トラブルのきっかけは…「歯の矯正」モニター

 女性:「借金も残ったまま、健康被害も残り、この先どうしたら良いか分からない状態です。歯がきれいになって、健康になって、幸せに暮らしていくつもりでした」

 先月、都内で開かれた会見で、涙ながらに被害を訴えた、30歳の会社員の女性。

 女性:「口を開けた時に、上あごが左にずれて、下あごが右にずれています」「セカンドオピニオンの先生に『出っ歯も治っていないですね』と言われた。元々、出っ歯じゃなかったんですよ」

 女性ら153人は、銀座の歯科クリニック「デンタルオフィスX」を運営する「グランシールド」などに、総額2億円の損害賠償を求める、集団訴訟を起こしています。

 女性らがトラブルに巻き込まれたきっかけ。それは、「歯の矯正」です。

 女性:「コロナ禍でマスクがあるから、矯正がちょうどいい時期でもありまして。私もやりたいなと思って始めた」

■突然…連絡取れず 治療ストップ 130万円借金

 おととし7月、歯並びに悩みを抱えていた女性が申し込んだのは、デンタルオフィスXが勧誘していた「マウスピース矯正モニター」です。

 契約を結んで187万円を支払えば、その後、クリニック側からモニターの謝礼として毎月5万円がキャッシュバックされ、実質、無料で歯の矯正ができるというものです。

 しかし、契約から8カ月後、突然、クリニック側からこんな連絡があったといいます。

 クリニックの関連会社:「現状、資金移動が間に合っておらず、お支払日の延長をお願いさせて頂きたいと思っております。ウクライナ、ロシア問題などの海外情勢の影響で、海外口座からの送金取引が停止しているということが主な要因です」

 女性はその後、クリニック側との連絡も取れなくなり、治療をストップ。130万円の借金だけが残りました。

■戦争で返金遅れ「笑える説明」 社長に直撃も…

 ウクライナ侵攻などが理由で、謝礼金の支払いが遅れたと説明したクリニック側。しかし、これを覆す、去年4月に行われた社内会議の音声を独自に入手しました。

 社長とみられる男性:「全体に説明文、ロシアとかウクライナとか突っ込みどころ満載の文章が出ていた。今となって思えば、あの時は、あれが最善だったなっていうくらい、笑える内容なんですね。『炎上してくれ』ぐらいの内容。これさえなければって、弁護士さんたちにはよく言われます。出しちゃったものはしょうがないという形なので、後からネタになればなっていう」

 戦争を理由とした謝礼金の遅れの説明は、「突っ込みどころが満載」だと、自ら茶化すかのようなやり取り。真偽を確認するため、発言の主とみられる運営会社・グランシールドの中村社長の携帯電話に直接かけてみました。

 中村社長:「もしもし」「(Q.私、テレビ朝日の佐々木と申しますが)はい」「(Q.中村さんでいらっしゃいますでしょうか?)違います。すみません」「(Q.もしもし、中村さんですよね?)…」

 社長であることを否定し、電話を一方的に切った人物。その後、何度かけてもつながることはありませんでした。

■元幹部 被害者に直接謝罪を…悪質実態の告白も

 一方、番組スタッフの元には、ある電話がかかってきました。

 加藤博太郎弁護士:「デンタルオフィスX(歯科クリニック)の件なんですけれども、元幹部の方が急きょ弊社にいらっしゃることになりましたので。今お越し頂ければ、お会いできると思います」

 電話をかけてきたのは、被害者弁護団の団長・加藤弁護士。去年春まで、運営会社の幹部だった30代の男性が急きょ、弁護士事務所に来るというのです。

 被害者の女性と共に、現場に急行しました。

 元幹部の30代男性:「失礼します。私がきょうここに来た理由ですけれども、本当に多くの被害者の皆さんを見ていて、真実を話さなければならないと思って、やって参りました」

 元幹部の男性は被害者に直接謝罪をするとともに、メディアを通じて会社の悪質な実態を告白したいといいます。

■モニター契約「1700人」 集めた金「20億円超え」

 早速、入手した去年4月の社内会議の音声データを元幹部の男性に、確認してもらいました。

 社長とみられる男性:「ロシアとかウクライナとか、突っ込みどころ満載の文章が出ていた。今となって思えば、あれが最善だったなっていうくらい、笑える内容なんですね」

 元幹部:「嘘だったという話ですね。ウクライナ問題関係なく、送金がストップされたという話」

 女性:「完全にばかにしてますよね、この人。笑い話とか意味分からなくないですか?笑い話じゃないですよね」

 元幹部:「こういう発言聞いて、本当にありえないなと思いましたし、翌日から寝られない日々が続いてって感じでしたね」

 加藤弁護士:「ご自身も、被害に遭ってしまったと?」

 元幹部:「私も、被害に遭ってます」

 会社で、顧客の勧誘を担当していたという元幹部の男性。実は、自身もモニター会員で、150万円が返金されていないといいます。

 加藤弁護士:「大体、全部で何人くらいがモニターの契約された?」

 元幹部:「1700人くらいと聞いてます」

 加藤弁護士:「集めたお金は大体、全部でいくらくらい?」

 元幹部:「20億円は超えるんじゃないかっていうところ」

 女性:「いくらくらい支払えていない金額は残っている?」

 元幹部:「私が聞いてる金額だと、17~18億円。私自身もお金がどこに行ったかっていうのは、本当に説明がなくて、分からない」

■契約書偽造 関連会社が“勝手に作った”話に

 幹部でも、集めた20億円近くがどこに消えたか分からないという実態。さらに、当時の会議では、「アーサー」という関連会社に、責任を押し付けようと、口裏合わせが行われたといいます。

 幹部:「“業務委託していた『アーサー』が勝手にやってしまったこと”っていう体にして。『アーサー』っていう箱を使って、『アーサー』に責任を詰め込めるっていう感じ」

 社長とみられる男性:「なので、そもそも、その契約書を“『アーサー』が勝手に作った”というストーリーに」

 これを聞いた被害女性は、次のように話します。

 女性:「人を何だと思ってるんでしょうか?契約書を偽造したとか、この契約書の向こう側に私たちがいるのを分かってないですよね。結局、私たちに説明してるのは、全部嘘ってことですよね。逃げる準備をしてるってことですよね、これって」

 元幹部の30代男性:「そうですね、はい。申し訳ないです。たくさんの被害者の方に、私ができることが何か少しでもあればと思ってはおります」

 クリニックの運営会社・グランシールドは、これまでの取材に代理人弁護士を通じて、こう回答しています。

 運営会社の代理人弁護士:「当社として、責任のある契約については、支払う方向で、今後も対応していきたいと思っております。疑義がある契約などについては、慎重に検討して、対応したいと思います」

(「グッド!モーニング」2023年2月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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