中国“スパイ気球”問題緊張続く フィリピン沿岸警備隊への「レーザー照射」 フィリピン外務省 “失望している”|TBS NEWS DIG

中国“スパイ気球”問題緊張続く フィリピン沿岸警備隊への「レーザー照射」 フィリピン外務省 “失望している”|TBS NEWS DIG

偵察用とみられる気球をめぐりアメリカと中国の応酬が続く中、中国は別の国との緊張でも注目されています。

ベルトのようなものでまとめられた大きな白い物体。4日、アメリカ軍が撃墜した中国の気球の残骸の新たな写真です。

ロイター通信は、これまでの作業で気球が吊り下げていた物体の大部分が発見され、情報収集に使われたとみられる重要なセンサーや電子部品も回収されたとしています。

これ以降もアメリカ周辺では正体不明の飛行物体が相次ぎ発見、撃墜され、依然、緊張は続いています。

一方、中国と別の国との間でも新たな問題が…

突然向けられた緑色の強い光。中国海警局の船からのレーザー照射です。これは、中国との間で領有権をめぐり対立する南沙諸島で6日、フィリピン沿岸警備隊の巡視船が撮影した映像。沿岸警備隊はレーザー照射で乗組員の目が一時的に見えなくなったとして「主権の明らかな侵害だ」と非難していますが、中国側は「フィリピンの船が許可を得ずに海域に入った」と対応を正当化しています。

先月、フィリピンのマルコス大統領は中国を訪れ、習近平国家主席と南シナ海の領有権をめぐる問題について平和的解決に向け合意したばかりでした。

フィリピン外務省は14日午後、声明を発表し、「失望している」などと非難。アメリカ国務省も反応していて、フィリピンに対する防衛義務の発動にも言及しています。

これに対し中国外務省は…

中国外務省 汪文斌 報道官
「米国側はややもすれば(米比)相互防衛条約で中国を脅すが、これが中国の合法的権益を守ろうとする断固たる決心を揺るがすことはない」

こうした中、米中間で意思疎通を図ろうという動きも見え始めています。

ロイター通信は複数のアメリカ政府高官の話として、17日からドイツで開かれるミュンヘン安全保障会議にあわせ、「ブリンケン国務長官が王毅共産党政治局員との会談を検討している」と報道。今月上旬行われる見通しだった両者の会談は、中国の気球の飛来を受け見送りとなっていました。

中国側は、王毅氏が会議で「重大な国際問題について中国の立場を紹介する」としていて、米中の対話の行方が焦点となります。

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