内閣支持率が3割を切った岸田文雄総理大臣。30日は、長男・翔太郎秘書官（32）が公用車を観光に使っていたという疑惑について、釈明に追われました。
■“身内びいき”批判も…岸田総理「総合的に判断」
30日、国会でやり玉に挙がったのは、岸田総理の後ろを歩く男性。総理の長男で、総理秘書官の岸田翔太郎氏です。
翔太郎秘書官については、週刊新潮が岸田総理の外遊中に公用車で観光地を訪問したり、高級デパートで土産物を購入したりしたなどと報じています。
立憲民主党・山井和則議員：「事実関係として、翔太郎秘書官は、バッキンガム宮殿、ビッグベン、ハロッズに行きましたか？」
岸田総理：「具体的な場所については、特定しないということですから、肯定も否定もしないということだと認識している」
翔太郎氏は、三井物産を経て、岸田事務所に秘書として入所。去年10月、総理秘書官に就任しました。
税金を使った“身内びいき”“公私混同”“政治の私物化”といった野党の批判に対し、岸田総理はこう反論しています。
岸田総理：「適材適所の観点から、総合的に判断した」
■「政務秘書官」絶大な影響力持つ“総理の分身”
現在、32歳の翔太郎氏が就いているのが、8人いる総理秘書官の中でも、肝心要のポストである「政務秘書官」です。
“重責を担うにはあまりにも若すぎる”という懸念は、自民党内からも上がっていたといいます。
テレビ朝日 政治部・千々岩森生：「政務秘書官は、総理が自ら任命する、本当に重要な右腕中の右腕。かつてで言えば、小泉総理時代の飯島秘書官。政権の屋台骨として、切り盛りしてきた大物秘書官」
小泉内閣の飯島勲政務秘書官（当時）は、永田町、霞が関に張り巡らせた情報網を駆使。官邸主導を徹底し、官僚機構を使いこなすなど、その辣腕（らつわん）ぶりから「影の総理」と呼ばれました。
総理の分身として、絶大な影響力を持つ重要ポスト。それこそが翔太郎氏が就任した政務秘書官なのです。
千々岩：「各省庁とやり取りし、政策調整。長期的スケジュールで段階を踏んで、今何をしていくかを調節していく。政権の政策から政局までを担う。それが政務秘書官の主要な役割」
■「対外発信に使う写真撮影」も…SNSに見当たらず
そんな重責を担う総理の政務秘書官が、公用車で観光を楽しんだという報道は事実なのでしょうか？
山井議員：「防衛増税をお願いしている立場で、ご子息の秘書官がこういう疑われる行動。税金である公用車で行って、税金で雇われた大使館の方が随行。説明責任は必要だと思う」
政府は、「総理随行者の訪問先については、従来公表していない」と説明。そのうえで、総理は、次のように述べました。
岸田総理：「今後、この総理秘書官をはじめ、関係者において、より緊張感を持って、こうした行動について考えていかなければならない。改めて、徹底させたい」
政府は先週、買い物は「政治家としての総理のお土産の購入」で、観光施設の訪問は「対外発信に使うための写真撮影」と説明していましたが、総理官邸などのSNSに、観光施設などの写真は見当たりません。
山井議員：「広報担当者は、別に行っているんですよ。写真を使っていない。やはり、観光だったのではないか」
岸田総理：「映像が、まだアップされていないということですが、従来から映像は撮りまとめたうえで、年に1回、活動報告を作る際に使うとか、ずっと資料を集めている」
高級デパートで、誰にお土産を買ったのか聞かれると、次のように答えました。
岸田総理：「内閣の閣僚ほか、関係者に土産を買っている」
翔太郎秘書官について、政府は「個人の観光動機による行動は一切ない」と強調しました。
（「グッド！モーニング」2023年1月31日放送分より）
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