ロシアがウクライナへの侵攻を開始してから来月で1年を迎える中、ドイツとアメリカが、ウクライナに戦車を供与することを決めました。ドイツ国防相によると、約半数の国民が戦車の供与に否定的だといいます。その慎重姿勢から一転、供与に踏み切ったのは、なぜなのでしょうか。一方、日本では、森元首相がロシアに“肩入れ”するような発言をしました。
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ドイツのショルツ首相が25日、ウクライナへの供与を正式に発表したのは、“世界最強の戦車”の1つとされるドイツ製の主力戦車「レオパルト2」14両です。
激しい戦闘を続けるロシアとウクライナ。ウクライナ側は、“300両の戦車があればロシア軍を撃破できる”として、西側諸国に供与を求めていました。
現場(ウクライナ・バフムト近郊)のウクライナ軍兵士は「我々の装備はほとんど、1960年代のものだ」と話します。ウクライナは、旧ソ連時代からの古い兵器を数多く使っているのです。
欧米メディアは、硬い装甲や強力な火力をもった“世界最強”の戦車がまとまった数、投入されれば、ウクライナ軍が領土奪還につなげられる可能性があるとも伝えています。
ゼレンスキー大統領(大統領のSNSより・日本時間26日朝公開)
「近代的で、我々が必要とする戦車の提供に感謝しています」
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しかし実は、ドイツはこれまで“戦闘をエスカレートさせる”として、戦車の供与には慎重な姿勢をとってきました。その背景にあるのは、ドイツ国民の否定的な声です。
ドイツ国民
「これ(武器供与)は戦争をあおる。武器は平和をもたらさない」
「ドイツはこの戦争に参加すべきではないのです」
ドイツ国防相によると、約半数の国民が戦車の供与に否定的だといいます。その慎重姿勢から一転、供与に踏み切ったのは、なぜなのでしょうか。
「レオパルト2」は製造国ドイツだけではなく、ヨーロッパなど10か国以上で2000両以上が運用されています。それらの国が「レオパルト2」をウクライナに供与するには、製造国であるドイツの許可が必要ですが、支援に積極的なポーランドがドイツに許可を求めるなど、決断を迫っていたのです。
さらに、同じタイミングでアメリカが、主力戦車「エイブラムス」31両の供与を決定。ドイツはアメリカと足並みをそろえ、供与を決めた形です。
一方、ロシア側は「他の戦車と同様に燃え尽きるだろう」とけん制を強めています。
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そうした中、25日、都内で開かれた会合で、森元首相がロシアに“肩入れ”するような発言をしました。
森元首相
「(日露関係を)せっかく積み立ててここまできてるのに、こんなにウクライナに力入れちゃっていいのかなと。ロシアが負けるってことはまず考えられない」
森氏は、首相在任中からプーチン大統領と良好な関係を築き、北方領土問題の解決などに尽力してきました。プーチン大統領の来日の際には、一緒に柔道を見学したこともあります。
森氏の発言に、自民党内からは「支援していく姿勢を見せ続けることが大切なのに、なんで、あんなこと言うのかな」と、“相変わらず空気が読めない”などの声が上がっています。
(2023年1月26日放送「news every.」より)
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