19日にマイナス62℃を記録し、“世界で最も寒い都市”とされるのが、シベリア東部のヤクーツクです。極寒のなかでの暮らしを取材しました。
■「アイスフォグ」水蒸気が凍って霧に…
サハ共和国・ヤクーツク在住 ロクサナさん:「(今、何℃ありますか?)きょうは(マイナス)39℃で暖かいです。39℃に見えます、マイナス。きょうは暖かい」
「マイナス39℃だから暖かい」。こう話すのは、日本が好きで、独学で日本語を学んだというロクサナさん。ロシア・サハ共和国の首都、ヤクーツクで暮らしています。
サハ共和国は、ロシア東部に位置し、日本からは直線距離でおよそ3000キロ。人口およそ98万人、面積は日本の8倍ほどありますが、そのほとんどが永久凍土に覆われています
ヤクーツクは「世界で最も寒い街」と呼ばれていて、19日にはマイナス62.7℃を記録しています。
吹雪にあったかのように、真っ白に覆われた街。20メートル先も見通せない状況のなか、車で山を上ると、雲一つない晴天が広がっていました。
排気ガスなどに含まれる水蒸気が、あまりの寒さに瞬時に凍って霧になる、「アイスフォグ」という現象も起きています。また、市場の魚は固く凍り、縦に刺して並べられていました。
短い夏は、40℃近い猛暑となるヤクーツク。1年の寒暖差は、100℃ほどにもあります。
■「冬の間エンジン切らず」止めると動かず
そんな街で生活するためには、防寒対策も厳重です。肌の露出は絶対に避けなければならないといいます。
ロクサナさん:「マフラーをしないで歩いたら、10分で凍傷になる」
凍て付く空気を直接、肺に入れないため、息を吸う時は必ずマフラー越しに、ゆっくりと吸い込むということです。幼稚園から戻ってきた子どもも、しっかりとマフラーで顔を隠しています。
マイナス40℃から50℃に近い世界では、移動に欠かせない車。エンジンを止めると、内部が凍って動かなくなるため…。
ロクサナさん:「(エンジンは)いつもつけっぱなし。冬全部、何カ月か」
ロクサナさんの場合、月の給料の半分近くがガソリン代に消えるといいます。
■一日の電気代“3800円” “極寒”暮らす理由
家の中での生活はというと、ロクサナさんの家では、ストーブで薪を燃やし、その熱をリビングなどに送ることで室内を温めています。しかし、ストーブが無いアパートなどで暮らす人は、暖房器具がメインです。
ロクサナさん:「まぁ、(電気代)かかりますね、めちゃくちゃ。ルーブルだと、一日に2000。それは大きいですね」
一日の電気料金は、日本円でおよそ3800円。単純計算で1カ月だと11万円を超えます。
過酷な環境のヤクーツクでなぜ、人々は暮らすのでしょうか?
実は、サハ共和国は世界有数のダイヤモンドの産地として知られ、それらの仕事に従事する人も多いということです。
先日、マイナス62.7℃を記録したヤクーツク。この寒さをもたらした寒波が24日、日本に訪れます。
(「グッド!モーニング」2023年1月24日放送分より) (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
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