ロシア軍は、東部の要衝バフムトに近い都市ソレダルを制圧したと発表しました。ロシア軍が人口1万人ほどの小さな都市ソレダル制圧にこだわる狙いは一体、何だったのでしょうか。
ロシアにとっては、久しぶりの“勝利”となるのでしょうか。
兵士:「そこでいいよ。下がってるの見えるよ」「皆、旗を掲げるんだ。建物を制圧したぞ。勝利を祝おう」
ウクライナ東部ソレダル。人口1万人ほどの小さな街です。数週間にわたり激戦が続いていました。
ロシア国防省、コナシェンコフ報道官:「12日夜、ソレダルを占領した。ここは、ドネツクで前進を続けるために重要な街だ」
ロシア支配下の街に避難したという住民もいます。
ソレダルから避難した住民:「知人の息子が我が家に来てくれました。笑いながら『こんばんは』って。兵士たちと一緒でした。機関銃を見ると、ロシア国旗が付いていたんです。私たちは、泣きながら抱き付きました。長い間、彼らを待っていたんです」
一方、ウクライナ側はソレダルの“制圧”を否定。戦闘は今も続いています。
兵士:「何も問題ない、頑張っています。神に祈り、任務を遂行し、基地に戻る。これが皆の日課だよ」
ウクライナ側からは、ロシア軍の兵舎とみられる建物を攻撃した映像も公開されました。ソレダルを巡る攻防について、防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏は。
防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「あの地域は鉱山が多く、また洞窟もある。ですから地下にウクライナ軍がこもって、ある種、神出鬼没の形で防衛線を展開しているので、ロシア側としても長い間、攻めあぐねている」
ただ、ウクライナ軍の旗色は悪いようです。
記者:「ある兵士は『もう陥落した』と言い、また別の兵士は『わずかな前進が続いている』と言ってます。兵の士気は非常に高く、守り切れる自信を持っていますが、ウクライナ軍は組織的な撤退を始めているようです」
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「ロシア軍がソレダルのすべてではないが、大部分を支配している可能性が高い」と分析しています。
ソレダルが制圧されると、戦況にどのような影響があるのでしょうか。
防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「ソレダルという街は、バフムトの北東にある。バフムトは比較的交通の要衝みたいな場所にあって、ロシアはバフムトに向かって6カ月くらい攻勢をかけているんですが、占領できていないんです。ソレダルを落とすことで、二方向からバフムトを攻撃しようと」
ロシア側の本当の狙いは、ソレダルの先に見据える要衝バフムトだといいます。
防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「ドネツク州で、まだウクライナ側が維持している場所に攻め込むうえで、どうしてもバフムトを落とすことが必要。ルハンシク州とドネツク州、両方とも占領できれば、ある程度この戦争の目的は達したとロシア側は言うことができる。そういう意味で、ロシア側にとっては重要な街」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
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