慶応大学の教授で日銀の審議委員などを務めた白井さゆりさんが2023年の日本と世界の経済見通しについて、日本記者クラブで講演しました。白井さんは世界経済は大きく落ち込むとみています。
白井さゆりさん「経済は大きく減速すると思う。先進国、米国と欧州の減速が大きい。比較的アジアなどは悪くならないと思う、先進国の減速は目立つ年になると思う、ヨーロッパが特に厳しいと思う」
白井さんは2023年の日本経済は1.3％程度の成長を見込み、中国では新型コロナの感染が収束に向かい、消費が拡大すれば４％を超える成長が可能だとしました。一方で欧米の景気については減速を予想しています。ヨーロッパではロシアへのエネルギー依存度が大きい国ほど景気が停滞するとして、マイナス成長もあり得ると話しました。アメリカについては利上げの影響が今後出てくるため、６月ごろにかけてマイナス成長になる可能性があるとしましたが年末にかけて持ち直すと指摘しました。
白井さゆりさん「利下げはＦＲＢ見通しでは来年には行われることになっている、利下げは行われるという予測は出している、観測が織り込まれていくので年末にかけ成長率高まる」
ただ、景気の減速があっても緩やかなものになるとみています。
白井さゆりさん「景気は悪くなっていくが人手不足なので、過去の景気減速局面では大量失業などがあったが、今回は大量失業は起きづらい。失業率上がっても、それほど上がらない状況だと思う、今年は景気減速が起こり得るがマイルドな景気後退の可能性が高い」
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