ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、ウクライナ側が「プーチン大統領は“がん”を患い、死期が近い」との健康不安説を主張しています。専門家はウクライナ側が仕掛けた情報戦の可能性に触れ、「プーチン大統領は一番触れてほしくないところを敵に触れられた」と指摘しています。
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先月31日に公開された映像には、ロシア南部を訪れたプーチン大統領が、大勢の兵士たちとともにグラスを手にする様子が映っていました。兵士たちと「万歳! 万歳! 万歳!」と唱えると、「明けましておめでとう」と乾杯の音頭をとっていました。
大統領は国民向けの新年のテレビ演説で「あらゆる困難を乗り越えて我が国が偉大で独立していられるよう、家族のために、唯一の愛する祖国の未来のために、前進して勝利するのだ」と呼びかけ、首都キーウをはじめとしたウクライナ侵攻をめぐり、一歩も譲らない姿勢を強い口調で改めて示していました。
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こうした中、ウクライナ国防省の情報機関トップ、ブダノフ情報局長はアメリカメディアのインタビューで、“ロシアに対する大規模な反撃を春に計画している”とし、「3月に戦闘が最も激しくなる」との見方を示しました。
さらに、プーチン大統領について気になる情報が飛び出しました。ブダノフ氏は、“プーチン大統領に近い人物から得た情報”だとして、「彼(プーチン大統領)は長い間、病気だ。“がん”だと思う。死期は近いが、その前に我々が勝利する」と述べたのです。
“がんを患い死期が近い”とウクライナ側が主張しだした、プーチン大統領の健康不安説。
プーチン大統領はかつて、ことあるごとに屈強なイメージをアピールしてきました。時には、柔道で背負い投げを披露。2009年には、野外の水場でバタフライをしたり、上半身裸で乗馬したりする様子を公開しました。2017年には、またしても上半身裸で、ルアーで魚を釣り上げる様子が。ただ、そんなプーチン大統領も現在、70歳になっています。
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“がんを患い死期が近い”との情報は本当なのでしょうか。ロシア政治に詳しい慶応義塾大学の廣瀬陽子教授は、“ウクライナ側が仕掛けた情報戦の可能性”を指摘します。
慶応義塾大学 廣瀬陽子教授
「プーチン大統領の“病気説”というのは、去年の年末からかなりいろいろな海外メディアで出ているんですよ。そういう見方をすれば、むしろ、それにウクライナが乗っかったとも言えるわけで。デンマークの諜報(ちょうほう)機関は『がんであるけれども、末期ではない』とも言っているんです。(今回は)若干、もしかすると情報戦の要素もあると」
ただ、“がんを患っている”といった健康不安説が報じられることで、ウクライナ侵攻への影響が出る可能性もあるといいます。
慶応義塾大学 廣瀬陽子教授
「戦闘員の戦意に悪影響を及ぼしたり、国民にとっても“プーチン大統領がこの先、長くないかもしれない”となると、いろいろな疑念・疑問を持ってくることはあると思うんです」
――一番ダメージを受けるのは、やはりロシア側?
慶応義塾大学 廣瀬陽子教授
「ロシアというより、プーチン大統領だと思うんですよね。プーチン大統領にとっては、“一番触れてほしくないところを敵に触れられた”というところで、非常に嫌な展開だと思われます」
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ロシア軍は4日、核弾頭が搭載可能な極超音速ミサイル「ツィルコン」を備えた最新鋭のフリゲート艦を実戦配備しました。今後、大西洋や地中海などに向かい、「ツィルコン」の発射訓練も行うといいます。ロシアとしては、核戦力をちらつかせることで、ウクライナ支援を続ける欧米などをけん制する狙いがあるとみられます。
(2023年1月5日放送「news zero」より)
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