東京証券取引所では岸田総理が出席するなか、今年の取引を締めくくる「大納会」が行われました。円安や物価高が進むなか、来年の暮らしはどうなるのでしょうか。
岸田総理大臣:「来年は『新しい資本主義』を本格起動させていく年です。『資産所得倍増プラン元年』として貯蓄から投資へのシフトを大胆、抜本的に進めていく」
年初、2万9000円を超えて始まった株価はロシアによるウクライナ侵攻が始まると、原油の高騰などが相まって大幅に下落。その後はインフレが進むアメリカの金融政策に翻弄(ほんろう)され、乱高下しました。
さらに、原材料費や物流費も値上がりしたことで、物の価格が上がり、人々の生活に大きな影響を与えました。鮮魚店も仕入れ値が軒並み上がり、利益を圧迫しているといいます。
清水水産・持丸健康さん:「(仕入れ値は)マグロは1.5倍、数の子は2倍ぐらい上がっています。買いに来たお客さんが困っちゃうので、据え置きにしています。値段は」
お酒のおつまみに欠かせない干物などを扱うこの店では、コスト上昇分を商品価格に転嫁せざるを得ませんでした。
川辰商店・松本考治さん:「(値段は)上がってますよ。今これで売りますけど、去年はこれの半分です。値段がこれだとお客さんの反応が全然違うよね。『高いなぁ~高くなったなぁ~』」
一方、買い物客は…。
買い物客:「うちらみたいな年金暮らしの人はちょっと厳しい」「収入が落ちているところに物価が上がって、家計に響いている」
さらに、この状況に追い打ちをかけたのが…。1ドル=115円台だった円相場は、アメリカのFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げを受けて驚異的なスピードで円安が進み、10月には一時1ドル=151円94銭まで下落。政府と日銀はおよそ24年ぶりに円買い介入に踏み切るなど、異例の事態を招きました。
野田幸食品・野田拓朗さん:「(円安で)輸入している商品は2割から大きいもので3、4割上がっていますし、輸入モノが高いっていうダブルパンチだから」
今年値上げされた食品は2万を超え、また、大手外食チェーンの7割がメニューの値上げに踏み切りました。
来年は卯(う)年です。卯年の相場の格言は「跳ねる」ですが、果たして、来年の景気はどうなるのでしょうか。気になる来年の見通しについて、専門家は…。
三井住友DSアセットマネジメント・市川雅浩さん:「日経平均株価は来年末で3万2500円を予想している。世界経済が冷え込むなかで、相対的に日本経済は底堅い。ようやく水際対策の緩和が進んで、インバウンド需要が復活している」
円安や物価高も改善に向かうのでしょうか。
三井住友DSアセットマネジメント・市川雅浩さん:「アメリカの利上げと日本の金融緩和でドル高円安が進んできたが、来年はその逆でドル安円高が進んでいく可能性が高い。輸入物価が上昇して国内の物価が上がるという動きは、一服する可能性が高いと思います」
2023年は様々な課題を乗り越えて「飛躍の年」となるのでしょうか。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
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