全国の消費者物価指数が2022年11月で去年よりも3.7%の上昇を記録しました。これは、40年11か月ぶりの上昇率でした。今年度の家計負担はおよそ9万6000円の増えるのではないか?という試算もあります。スタジオで、専門家と詳しく見ていきます。
■止まらない“物価上昇” 来年もまだまだ値上げは続く
山内あゆキャスター:
今年は値上げのニュースばかりお伝えした印象があります。全国の消費者物価指数ですが11月で去年よりも3.7%の上昇。これは実に40年11か月ぶりのものとなります。そしてとにかく生活に必要な物の値上がりが大きかったんです。例えば、都市ガス代は28.9%、電気代で20.1%、牛乳で9.5%、それ以外の食料で6.8%の値上げとなっています。
今年度の家計負担は約9万6000円増加するという試算もあります。さらに値上げはまだまだ続き、今わかっているだけでも、来年の1月から4月には合計7152品目、調味料やスナック・チョコレート菓子、水産缶詰、輸入ワインなども値上げの対象となっています。
ホラン千秋キャスター:
身近なものが軒並み値上げして厳しいですね。
税理士 藤富郷さん:
寒さが厳しいときにガス代や電気代など生きるために必要な部分が急に上がると、ほかのものに購買意欲が向かなかったり、購買量が減ってしまうこともあります。企業は何とか利益を抑えていますが誰も得しない値上げになっているのが非常に心配です。
山内キャスター:
もう一つお金のニュースに関して言いますと、12月に与党による税制改正大綱が決定されました。
「税制改正大綱」主な内容
・NISA拡充
年間投資枠360万円
非課税期間無期限
・エコカー減税
2026年4月まで延長
適用基準を段階的に厳しく
・格差是正
年間所得30億円超の富裕層の課税強化
■“生前贈与” 相続税対象 亡くなる3年前→7年前に延長 知らないと損も
そして注目は生前贈与です。このルールについても今後変更がありそうです。今のルールですと贈与税は1人当たり1年間で110万円までは非課税となっています。そして亡くなる前の3年以内に受けた贈与が相続税として課税されます。しかしこの相続税の対象期間が3年から7年に延長する方針だということです。政府としては子育て世代への資産の移転を促し、経済の発展につなげたいとのことですが、なぜ3年から7年にすることで経済の発展につながるのでしょうか。
税理士 藤富郷さん:
70歳から毎年110万円ずつ贈与し80歳で亡くなった場合で説明します。
【現在のルール】
・70歳~76歳までの7年間で贈与した770万円は非課税
・77歳~79歳までの3年間で贈与した330万円は相続税対象
【今後】
・70歳~72歳までの3年間で贈与した330万円は非課税
・73歳~79歳までの7年間で贈与した770万円は相続税対象(プラス100万円の控除あり)
しかし生前贈与を5年前倒しすると非課税の額が多くなります。
・65歳~72歳までの8年間で贈与した880万円は非課税
前倒しすることによって一番必要とされている方に早めに贈与がいく。現在高齢化社会ですので、高齢の方が高齢の方に相続をするとお金を一番使う方に届かない可能性がある。早めに促すことでお金を回していこうということになっている。
ホランキャスター:
自分が亡くなるタイミングがいつかと考えるよりも、自分の子供たちがいつお金を必要としているかというタイミングで贈与を始めればいいということですか。
税理士 藤富郷さん:
まさにその通りだと思います。必要なときに必要なものがあるということが一番大事。それで経済が回ると考えています。
井上貴博キャスター:
高齢世代が持っているお金を回すということですね。海外には相続税がない国もありますし、日本は他の国と比較しても税率が結構高いと言われています。
税理士 藤富郷さん:
税を集めることによって所得の低い方に税を広く行き渡せるという効果があると思いますので、その部分は大事なところだと思います。
井上キャスター:
富の再分配といいますか、格差をなくす上で?
税理士 藤富郷さん:
このくらいの税率はあってもおかしくはないかなと思っています。
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