大雪で車“立ち往生” 「15時間待ち」一時800台…専門家 原因の一つは「スタック」【もっと知りりたい!】(2022年12月21日)

大雪で車“立ち往生” 「15時間待ち」一時800台…専門家 原因の一つは「スタック」【もっと知りりたい!】(2022年12月21日)

 車は、雪に埋まっていました。20日、自宅前に止まった車の中で27歳の女性が見つかり、まもなく死亡が確認されました。女性が車内で暖を取り、一酸化炭素中毒で死亡したとみられています。

■停電続く新潟…“炭こたつ”で極寒しのぐ

 20日午後7時ごろの新潟県長岡市内の様子です。真っ暗な道路を多くの車が行き交っています。

 この辺りでは、19日午前9時ごろから停電が続いています。

 長岡市の20日の最高気温は1.3℃。長年、この家に住んでいる夫婦は…。

 夫(78):「(Q.今、2人で何を?)やることないんで、2人でにらめっこしていた」

 電気がないなか、どうやって暖を取っているのでしょうか?

 妻:「(Q.こたつは暖かい?)暖かい。豆炭こたつ」「(Q.暖かい。中は、どうなっている?)見たことないでしょ」
 夫:「真っ赤になったのをこたつに」

 さらに、食事の時には…。

 夫:「ご飯食べる時も、これを着けて食べてた。ご飯は、ガスで炊くから」

 東北電力によりますと、新潟県内では21日午前6時現在、およそ8900戸で停電が続いています。

■国道で立ち往生「15時間待ち」…差し入れも

 交通への影響も出ています。

 新潟県内では19日の昼から、一時800台もの車が雪で立ち往生する事態となりました。

 物流の重要ルートでもある長岡市や柏崎市などを通る幹線道路、国道8号と17号では、20日も…。

 トラック運転手:「(Q.どれぐらい並んでる?)15時間」「(Q.旧道があるけど、国道を使う理由は?)多分、変わんないと思ったから。こっちも渋滞だと、向こうも皆、回ってるかなと」

 車内で、身動きが取れないドライバーに、近隣の人がお菓子を配って回る場面もありました。

 近くで店を営む人:「これ、好きなだけ取って下さい。トイレもあるんで、使って下さい」

 また、農園の人はイチゴを配っていました。

 ファームくじらなみ・吉原有希子さん:「出荷が、きのうも、きょう、あすも無理だったので。皆さんに配ろうかなと」

 新潟県は、柏崎市、長岡市、小千谷市、魚沼市に「災害救助法」を適用し、陸上自衛隊の災害派遣を要請しました。

■大雪で死者 雪に埋もれた車の中で…

 大雪による死者も出ています。

 20日、柏崎市では、荒川紗夜嘉さん(27)が、自宅前の雪に埋もれた車の中で死亡しているのが見つかりました。

 発見時、車のマフラーが雪で埋まっていて、警察は、一酸化炭素中毒で死亡したとみて調べています。

 この地域は停電が続いていて、荒川さんは、車の中で暖を取っていたとみられます。

 同じく柏崎市では、除雪作業をしていたとみられる85歳の男性が用水路に転落し、死亡しました。

■「スタック」原因? “くぼみ”で空回り

 12月としては、38年ぶりという記録的な大雪に見舞われた新潟県。柏崎市周辺では、半日で50センチ以上雪が積もりました。

 想定を超える雪のため、起きてしまった大規模な立ち往生。さらに専門家は、「スタック」と呼ばれる現象が多発したことが、原因の一つではないかと指摘します。

 福井大学 工学系部門・藤本明宏准教授:「穴が開いているので、そこにタイヤが落ちて、空転を引き起こす。穴がどんどん成長していき、そこに大型車がはまってしまうと、タイヤが空転して動けなくなる」

 「スタック」とは、タイヤが雪のくぼみにはまるなどして、空回りしてしまう現象です。

 雪道を走る車が「信号待ち」などで停止すると、タイヤの温度や車の重みで路面に小さな「くぼみ」ができます。その上を車が通ると、別の車が再び「くぼみ」にはまり、徐々に深くなっていきます。

 最終的に「くぼみ」を乗り越えられない車が「スタック」を起こし、立ち往生してしまうというのです。

■脱出方法は?専門家「傾斜部分取り除き…」

 20日の中継リポートでも、こんな光景が見られました。

 テレビ朝日・武隈光希アナウンサー:「ゴツゴツとして雪が固まっているので、対向車線の車が上下に揺れながら、時にはハンドルを取られそうになりながら進んでいます」

 こうした状況が、道の至る所で起きていたと思われます。

 藤本准教授:「仮に脱出したとしても、その間に後続車はずっと降雪にさらされている。その間に、車の周りが雪で囲まれてしまって、他の車両も動けなくなる」

 では、「スタック」してしまったら、どうすればいいのでしょうか?

 藤本准教授:「タイヤの前にある傾斜部分を取り除くとか、タイヤと雪の間に摩擦力が高いもの、布や専用の装置を挟み込む。シンプルに、後ろから押してもらうのも有効な手段」

(「グッド!モーニング」2022年12月21日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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