ウクライナのゼレンスキー大統領は21日にアメリカ・ホワイトハウスを訪れ、バイデン大統領と会談します。ゼレンスキー大統領は会談後、アメリカ議会の上下両院合同会議で演説する予定です。このタイミングで2人の首脳が対面で会談するのはなぜなのか。専門家は、アメリカが行うウクライナ支援の“ある方向転換”が関わっていると指摘します。
■なぜ今、アメリカ議会で演説?
有働由美子キャスター
「ゼレンスキー大統領は軍事侵攻後、“初”の国外ということなのですが、知りたいことがたくさんあります。まず、『なぜ今?』なのでしょうか」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「タイミングについて、『クリスマス』という時期が関係しています。ロシア・ウクライナ情勢に詳しい、慶応義塾大学の廣瀬陽子教授によると、『ロシアのインフラ攻撃でウクライナでは停電が続き、寒くて悲惨なクリスマスになってしまう。このタイミングでの訪米は世界に対して“ウクライナを忘れないで”と訴える狙いがある』といいます」
「さらに、アメリカの下院議会も来年、共和党が多数派を占める“新たな構成”に変わるんです。アメリカ政治に詳しい、明海大学の小谷哲男教授は『共和党内にはウクライナ支援に慎重な議員も多いので、ゼレンスキー大統領としては議会のメンバーが新しくなる前に支援を訴えたいのではないか』と話します」
■「対面」首脳会談のワケ
有働キャスター
「なるほど。ただ、国内が大統領不在になるというリスクを侵してまで、なぜ『対面』でなくてはいけないのでしょうか」
小栗委員
「やはり『直接会う』ことが大事なようです。注目したいのは、迎撃ミサイルの『パトリオット』。これはアメリカの最新鋭の防空システムで、射程も数十キロと長く、侵攻初期の段階からゼレンスキー大統領は欲しがっていました。ただアメリカ側は、これまで慎重な姿勢でした」
「それを今回、ロシア側がインフラ攻撃を繰り返して国民生活を脅かしていることから“ウクライナに供与する”と方針転換したわけで、小谷教授は『アメリカ側としては供与すると発表するのに合わせて、ゼレンスキー大統領が直接、アメリカを訪問することで、この方針転換をある種シンボリックに演出して見せたかったのだろう』と分析していました」
「このパトリオットの供与については、廣瀬教授も『(ロシアの)プーチン大統領は前々から過剰に気にしていた。それだけに今は、焦りと怒りがごちゃまぜになったようなような気持ちだろう』と分析しています」
■辻さん「戦争が続いていること、意識し続けたい」
有働キャスター
「辻さんは今回の件、どう見ますか」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「本人の言葉に力があるゼレンスキーさんだからこそ、直接行くことや、今の状況をご自身の声で語ることで、国家間はもちろんですし、私たち市民も含めて国際社会全体の関心を高められるのだと思います。今、この瞬間もまだ戦争が続いているんだってことを、私たちも意識し続けなきゃいけないなと改めて思います」
有働キャスター
「ウクライナは氷点下の冬を迎えていて、『せめて寒さから守ってあげたい』『私たちにも何かできないか』という方は、国連UNHCR協会を通じて『防寒支援活動』に寄付することもできますので、ぜひ知っておいてください」
(2022年12月21日放送「news zero」より)
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