21日朝、福岡市を中心に「硫黄のにおいがする」と通報が相次ぎました。通報は周辺の自治体のほか、隣の佐賀県でもあり、広範囲にわたって異臭が確認されています。
福岡市在住・下石熙さん：「母親と妹と3人で『温泉のにおいするね』と言えるくらいのにおい。温泉街にいるような、温泉近くで湧いたかなって」
SNSでも…。
SNSの投稿：「福岡市内むっちゃ硫黄くさい」「天神辺りウロウロしてたら硫黄みたいなにおいしてるなー」
福岡市内での異臭に関する投稿が相次ぎました。
そのため、午前7時すぎから「硫黄のようなにおいがする」という通報が複数件寄せられたといいます。消防が出動しましたが、到着時ににおいはなく、体調不良で搬送される人もいないということです。
異臭の原因は…。福岡県の大気観測データでは午前7時ごろから福岡市内の大気中の二酸化硫黄の濃度が上昇。そして、福岡市中央区春吉の観測地点では、一時、前日の20倍を超える濃度の二酸化硫黄が観測されていました。さらに、久留米市や大牟田市などでも大気中の二酸化硫黄の濃度の数値が上昇した時間帯がありました。そして、隣接する佐賀県でも通常の18倍の数値を観測しました。
なぜ、二酸化硫黄の濃度が上昇したのか。二酸化硫黄は、火山あるいは温泉地帯において、地下のマグマに溶け込んでいるものが分離して、噴気孔から大気中に放出されます。また人工的には工場、船舶などのボイラーやエンジンなどで燃料が燃焼する時に生成されます。福岡管区気象台は「九州内や周辺の火山に大きな変化はなく、火山の影響は考えづらい」としています。
二酸化硫黄は刺激臭があり、目、皮膚、粘膜を刺激し人体には有害な物質です。平常時の20倍を超える数値。健康への影響は…。
環境省、水・大気環境局総務課、松浦秀幸課長補佐：「健康に影響が生じるといったレベルのものではないと考える。せきやたんが増加するなど体調面で気になる点がある場合には、まずは医師に相談」 （C） CABLE NEWS NETWORK 2022
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