アメリカ軍岩国基地の海兵隊員が盗んだ新車で引き起こした衝突事故。基地側の説明に怒りを爆発させた車の所有者に話を聞きました。
車の所有者の父親・原田和男さん:「我々とすれば車を盗んだのは分かりますよね?それは事実じゃないですか。だから警察がどうこういう問題じゃないんじゃないですか?」
アメリカ軍岩国基地・法務部の職員:「通訳しますね、全部。すみません、緊張しちゃって…」
新車を盗まれた原田順一さん:「笑っとる場合じゃないよね!」
アメリカ軍岩国基地・法務部の職員:「はい、すみません」
車の所有者の父親・原田和男さん:「我々はね、この車を乗ってないんですよ。警察の取り調べがどうとかいう問題じゃない」
新車を盗まれた原田順一さん:「取り調べするなら、さっさとなんで警察署に引き渡さないの?」
今月3日、山口県岩国市の路上で前方が壊れた状態で見つかった新車のスポーツカー。その後、盗難車だった事が分かりました。540万円で購入されたばかりで整備のため自動車販売店に置かれていたところ、防犯カメラにはドアを壊して店から鍵を盗み、車を運転する男の犯行の一部始終が撮影されています。
盗難車は岩国基地に近い道路で別の車に追突…。さらに、男は車を放置して逃走したということです。警察の捜査で、この男がアメリカ軍岩国基地に所属する海兵隊員だと分かりましたが、「日米地位協定」によって身柄の確保ができていません。
アメリカ軍岩国基地・法務部の職員:「その海兵隊員は、日中は基地内で仕事をしています。ただ仕事以外の時間は今制限をかけられた状態です」
アメリカ軍関係者に通訳を介しながら男を日本の警察へ引き渡すよう求める所有者。
車の所有者の父親・原田和男さん:「もしあれだったら、私日本の警察に今から電話してどうして逮捕しないのか日本の警察にも言います。日本の警察は逮捕できないと言うから」
アメリカ軍岩国基地・法務部の職員:「できないというかリクエスト(逮捕の要求)が出ていないんですけど」
新車を盗まれた原田順一さん:「じゃあ、警察を呼べばいいじゃん」
被害者側は岩国警察署に連絡し、アメリカ軍の主張と食い違う点を確認しようとします。
新車を盗まれた原田順一さん:「原田と言いますけど、刑事課の●●さんいますか?」
警察から折り返しの連絡を待つ間、交渉は壊されたスポーツカーの損害賠償に移りました。
アメリカ軍岩国基地・法務部の職員:「問題は彼(海兵隊員)自身がこの間、電話で話した通り、保険があるけど(今回の事件は)保険がきかない、そうなってくると本人にどの程度の資力があるかが問題」
新車を盗まれた原田順一さん:「僕らからしたら『地位協定』なんてどうでもええんよ、分かる?」
アメリカ軍岩国基地・法務部の職員:「分かります」
車の所有者の父親・原田和男さん:「弁償してくれればいいんよ。なんで弁償せんの?人の物を壊しとるんよ。盗んで」
この後、岩国警察署から連絡が入りました。
新車を盗まれた原田順一さん:「警察署で話はできないか?と」
車の所有者の父親・原田和男さん:「警察署へ行こう」
アメリカ軍岩国基地・法務部の職員:「彼がなぜ警察に行くのか?と聞いている」
車の所有者の父親・原田和男さん:「だから今、逮捕状が(警察から)出ていないと言った。その件で」
この日の結果について16日午後、スポーツカーの所有者に話を聞きました。
新車を盗まれた原田順一さん:「警察に行ったら民事的なことなので分かれて話をすることにした。(警察が)双方の言い分を聞いてと言うので。最後エレベーター前でちょっと話することになって、米軍側が一方的に『上からの指令でもうお答えすることはありません』。何も進まなかったですね。僕らからしたらどこに行けばいいんだろうという」
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