アップル社製の紛失防止タグ「AirTag」を不正に改造して販売したとして、男が逮捕されました。改造されたタグは他人の居場所を追跡する目的など、悪用された可能性もあります。
きょう逮捕された横浜市の会社員・由元慎二容疑者(41)。警察によりますと、由元容疑者は今年4月から7月にかけて、アップル社製の紛失防止タグ「AirTag」を音が鳴らないよう不正に改造し、インターネットオークションで販売するなどした疑いがもたれています。
なぜ、このような改造を行ったのでしょうか?
記者
「こちらがAirTagです。これをカバンなど持ち物に取り付けます。万が一、ものをどこかに置き忘れたとしても専用のアプリを使うことで、かばんの位置情報を確認することができます」
AirTagはiPhoneと連動させることで、その位置情報が確認できるだけでなく、音を鳴らして探すこともできます。
また、ストーカーなど第三者に悪用されることを防ぐため、他人のAirTagが長時間そばにあった場合、iPhoneにそのAirTagの存在を知らせる通知が来る仕組みになっています。
愛知県に住む男性はこの通知機能をきっかけに、今年7月、家族の車にAirTagが取り付けられていたのを見つけました。
愛知に住む20代の男性
「ナンバープレートをちょっと剥がすような形で、無理やりちょっと入れ込んでるような感じで入ってて。粘土に包まれたAirTagですね。ぞっとしましたよね。盗難目的なのか。ストーカーだったり、そういう使い方も可能ではあるじゃないですか」
AirTagを悪用したとみられる被害は複数確認されていて、捜査関係者によりますと、和歌山では今年、顔見知りの女性のバッグにストーカー目的でAirTagを入れたとして、男性が警察から警告を受けているということです。
もし、AirTagの音が鳴らなければ、どこにあるのか見つけるのが難しくなり、悪用されるリスクが高まるおそれがあります。
記者
「インターネットのオークションサイトには、無音化されたAirTagが出品されています」
音の鳴らないAirTagは“音が鳴りません”“無音化”などとして、ネットで取り引きされている現状があります。
ユニオン・デ・ファブリカン 堤 隆幸事務局長
「『(犯罪に)使わないでください。でも、改造しました』ってそれは商標権侵害行為だと、よく考えてやらないと気楽にできてしまうから、すぐこういうところに踏み込んでしまう。商標権の摘発は、元を断つという意味では、やはりやっていただく必要があります」
今回の不正改造での摘発は、全国で初とみられます。
警察によりますと、由元容疑者は取り調べに対し、「小遣い稼ぎで始めた」と容疑を認めていて、警察は改造したAirTagおよそ60個を定価の2倍ほどの値段で販売し、総額33万円分を売り上げたとみて調べています。
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