韓国では今、トラック運転手や鉄道職員たちの相次ぐストライキによって社会機能が麻痺しています。住宅現場では資材が届かず工事が止まり、ガソリンスタンドも開店休業の状態です。
けさの気温が氷点下となったソウル。
記者
「大統領府近くの路上には労働者たちが座り込み、政府の抗議の意を唱えています」
「権利闘争で勝ち取るぞ。ストライキで勝ち取るぞ」
物価が高騰する韓国。政府に対し、適正な運賃や報酬の支払いを保証する制度の恒久化などを求める労働者の集会が相次ぎ、こちらでは抗議の断髪がおこなわれていました。
集会参加者
「(政府の)弾圧に対する怒りから、断髪することにしました」
こうした中、韓国最大の労働組合の傘下にある団体が一斉にストライキに突入。社会機能の多くが麻痺する事態になっています。
記者
「ガソリンスタンドでは、給油機のノズルのところに韓国語で品切れと書かれ、テープで固定されてしまっています」
トラックの運送業者らによるストライキの影響でガソリンの供給がストップし、全国33か所で販売ができなくなりました。
ガソリンスタンド従業員
「このような事態が長期間続けば、結局被害を受けるのは国民だから、一刻も早く政府が乗り出して早急に妥協点を見つけてほしい」
さらに…
記者
「セメントの保管施設では、ストライキによってタンクローリーが止まったままになっています」
セメントの供給が止まったことで影響を受けたのがマンションの建設。全国200か所で工事が中断されています。
一方で。
ニュースキャスター
「帰宅途中に市民が殺到し、激しい混雑を見せているところもありました」
きのう、ストライキが行われたのはソウルの地下鉄。減便されたことで、駅はごらんの混雑です。
また、自動車メーカーは意外なトラブルに見舞われました。通常は、このようにトラックで新車が輸送されるはずでしたが、運転手たちがストライキに入ったため、事務の職員が車を運転して購入者に届けることになったのです。
「走行距離が200キロを超えてました」
「走行距離が数百キロなら中古車だよ」
新車にもかかわらず走行距離が200キロを超えた車もあったということで、メーカーが対応に追われています。
これらの事態を受け、尹錫悦政権はセメントを運ぶ運転手に職場復帰を命じる「業務開始命令」を韓国史上、初めて発動しました。
しかし、労働組合側は「業務を開始すべきは政府と国会だ」と猛反発。火に油を注ぐ状況となっています。
半年前にも大規模なストライキがあったばかりの韓国。その影響による損失はおよそ2千億円とも言われていて、繰り返されるストライキはコロナ禍でダメージを受けた経済に大きな影響を与えそうです。
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