【巨大ロボット(LBS)】「遊園地のアトラクション」に エンタメ産業に新たな活路を

【巨大ロボット(LBS)】「遊園地のアトラクション」に エンタメ産業に新たな活路を

■ジェットコースター「白鯨」開発した関西企業 実は世界トップシェア

テーマパークのアトラクション製造を手掛ける世界企業が、今、開発を進めているのは「巨大ロボット」でした。

「ナガシマスパーランド」の「白鯨」は、55メートルという世界指折りの高さから、時速100km越えのスピードで駆け抜ける、スリル満点の人気アトラクション! 

いきつく暇もないコースバリエーションは、緻密な設計の賜物。さらに、その造形美が観客を魅了する、乗って見て楽しい「世界の名作」と称えられています。

手掛けたのは「富士急ハイランド」をはじめ、東京や大阪にある世界規模のテーマパークなど、国内21、海外5つの企業に製品を納入する関西企業。世界トップシェアの企業が、いま世界初となる、新アトラクションの開発に乗り出しました。

■世界初の巨大4足歩行ロボット「SR―02」 最大で4人が乗車可能

大阪に本社を置く「三精テクノロジーズ」。

実はこの会社、70年前に日本初のコースターを生んだ老舗の遊具メーカー。この会社が、一躍世界にその名を轟かせたのは1970年の「大阪万博」。

最高速度65km「東洋一のスピードコースター」としてアメリカ館の「月の石」に並ぶ人気を誇ったのです。そんな世界企業が開発を進めるのが…

「こちらが世界初の4足歩行ロボット『SR―02』になります」(宮崎和也さん)

開発したのは最大で4人が乗車可能な世界初の巨大4足歩行ロボット「SR―02」

「決してスリルはないが、乗る人だけでなくて見ている人も楽しい。私も乗ってみたいな、面白そうだなと思える。4人が乗ってノシノシ歩くようなものはない。ならば、新分野と言えるので挑戦する」(宮崎さん)

■アメリカで大好評 3年後の大阪万博は世界に売り込む好機

手始めに製作した20人乗りのミニチュアはアメリカの顧客に大好評。

車体などこれまでのコースター製造のノウハウが開発にいかされる一方、初めて直面する課題も…

「やっぱり脚の部分ですね。関節が3つある。関節は脚を開く方向に付いている。歩きながら方向を変える動作をした時に、自由度が大きいと外へ踏み込んで中へ踏み込んで、ということができる。なので、小さな回転半径で回ることが可能に」(宮崎さん)

さらに、足先の素材をアルミから樹脂製に変更するなど軽量化し、快適な歩行速度を実現しました。

でも、ただ人を乗せて歩くだけで、集客は見込めるんでしょうか?

「ゆっくり走りながら、テーマパークのパレードに付いて行ったり、回転したり、シューティングが付いていて、撃って点数が出るとか、そういう楽しみ方っていうのが視野にある」(宮崎さん)

「世界市場では、それぞれ自国の安全基準が厳しく定められている。そこで、三精テクノロジーズは、2012年、ジェットコースター製造を手掛けるアメリカの老舗企業を、2018年にはオランダの企業を買収し、その地域の基準を満たすノウハウや、販売網をいかすことで、世界の市場のほとんどをカバーできるようになった」(日本経済新聞社 泉洸希記者)

「3年後の大阪万博は、世界に売り出す絶好の機会なので、そこにどう参加できるかが今後の焦点になる」(日本経済新聞社 泉洸希記者)

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