地元後援会の会計責任者が故人になっていたり、収支報告書の虚偽記載の疑いが報じられるなど、“政治とカネ”をめぐる疑惑が相次いでいる寺田総務大臣に対し、「選挙運動員を買収したのではないか」という新たな疑惑が浮上しました。
去年行われた衆院選の公示日、寺田大臣は、自分の選挙ポスターを貼ってもらう報酬として、6人の市議会議員に数千円を支払っていました。これは法律で認められています。
一方で、公職選挙法は、選挙運動については原則、報酬の支払いを禁止しています。
野党側は、報酬をもらった6人の市議が「同じ日に選挙運動もしていたのではないか」と追及しました。
立憲民主党・奥野総一郎衆院議員:「当日、選挙運動を一切していなかったと断言できますか」
寺田総務大臣:「選挙運動をしたという方は、私は承知しておりません」
寺田大臣は否定しましたが、選挙初日の出陣式の映像には、演台の横で拳を上げる選対幹部の市議が映っていました。
ポスター貼りの報酬を受け取っていましたが、選挙運動は行っていなかったのでしょうか。
寺田総務大臣:「のぼりを持っていたとか、それは選挙運動になろうかと思いますが、選挙の初日については、労務者報酬を払ってお願いしている方々については、労務者としてのお仕事、ポスターの掲示板への添付をしていただいた。すべてについて、まだ確認したわけではございませんが、今そうした点についてご指摘もありましたので、確認させていただこうと思います」
総務省・選挙部選挙課に見解を聞いたところ「出陣式でのガンバローが選挙運動にあたるか否かは、実態に即して判断される。こちらではそれ以上、申し上げられない」としています。
報酬を支払った6人のうち、寺田大臣は、2人に確認ができたとしています。
報道ステーションでは、残る4人のうち、1人を取材しました。
広島・三原市で市議会議員を務める、梅本秀明氏。同じく初日に報酬を受け取っていました。
後援会が開いた別の出陣式に参加しましたが、選挙運動はしなかったといいます。
梅本秀明三原市議:「(Q.選挙運動をしている人が労務者報酬を受け取るのは、公職選挙法上、問題がある可能性がある)全然そんな知りはせんわな。今回こんなことが起きて初めて。知ってる人少ないと思うよ。(Q.出陣式に出席すること自体が、選挙運動にあたるんじゃないか)市会議員は、まず有権者。その人たちのため、地域のためにやる。その声をどこへお願いしたらいいのかと言ったら、県会議員。県会議員がどこにお願いするかと言ったら、国(国会議員)でしょう。確かに法を犯すのはよくないが、がんじがらめにして、裸にして政治ができるかと言ったらできない」
野党は辞任を要求しています。
共産党・宮本岳志衆院議員:「どんなに新たな事実が出てきても、新たな言い逃れを考えるだけで、決して責任は取らない、辞めないということか」
寺田総務大臣:「必要な調べはきちんとして、報告をさせていただく。政治家としての出処進退だから、そこは私自身が判断させていただく」
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