今後のアメリカ政治のパワー・バランスを決める可能性があると注目される激戦州を取材しました。ワシントンから土居記者の報告です。
中間選挙で接戦が伝えられる南部ノースカロライナ。記念写真に応じたり、テーブルを回ったりしてアピールに余念がないのは、共和党の上院議員候補バッド氏です。
共和党 バッド上院議員候補
「議員を変えることで政策を転換しなければならない」
州選出の上院議員の議席は2つ。いずれも共和党が占め、バッド氏は引退を決めた議員の後任として名乗りを上げています。選挙戦で何を訴えたいのか聞いてみると。
共和党 バッド上院議員候補
「(懸念の)1つはインフレで、これは政府の過剰支出が原因。もう1つは犯罪で、政府の国境政策の甘さによるものだ。そして教育。親たちは子どもの教育について発言の機会を求めている」
バイデン政権批判に終始する様子からは、選挙戦終盤の“焦り”もうかがえます。「伝統的に共和党が強い」とされるここノースカロライナで何が起きているのでしょうか。
記者
「こちらで電気自動車などの電池工場の建設を予定しているのは、日本のトヨタです」
「積極的な経済開発」。ノースカロライナ州は近年、法人税を引き下げるなど企業の誘致を積極的に進めていて、トヨタ自動車は5500億円を投じ、車載電池の生産工場を建設すると発表。3年後の稼働を予定し、およそ2100人の雇用を見込んでいます。
バイデン政権が打ち出した「半導体への補助金」や「電気自動車への税控除」など、経済政策が追い風となっているのです。
ベトナムの自動車メーカーやアメリカのアップルも工場や社屋の建設を予定し、新規の雇用と企業投資は過去最高に。地元からは、歓迎の声があがっています。
新興バッテリーメーカー「ソエレクト」 チョCEO
「地元の経済や雇用が拡大することで、この町により優秀な人材が集まるだろう」
バッテリーのスタートアップ企業のトップは、「現在、22人いる従業員を今後、170人以上に増やしたい」と話しています。
こうした州内の経済発展を背景に急速に支持を伸ばすのが、与党・民主党のビーズリー候補です。
民主党 ビーズリー上院議員候補
「ノースカロライナで半導体の製造を可能にする法律を支持するような上院議員を望みますよね!」
バイデン政権が後押しした経済の活性化や人工妊娠中絶の保護などを訴え、バッド候補との差はわずか1.2ポイントに。
アメリカメディアは、「ノースカロライナの結果が、今後のアメリカ政治のパワー・バランスを決める可能性がある」と指摘しています。
バイデン政権の発足から1年10か月。歴史的な物価高という逆風も吹き続ける中、国民はどんな審判を下すのでしょうか。
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